専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

栄光と苦難を経験した内田海智と中川直樹。豪打と柔軟なテニスが激突【全日本テニス】

内田暁

2020.10.30

中川は2度の故障から復活し、最近になってやっと感覚が戻ってきたと言う。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

中川は2度の故障から復活し、最近になってやっと感覚が戻ってきたと言う。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

「一番人生で落ち込んだ時だった」
 そう定義する時間のなかで、それでも諦めなかったのは、「テニスが好きだった。そこだけが続けられた理由だった」と振り返る。

「振り切れなかったり、感覚的につかめない時間が本当に長かった」後に、少しずつながら良い時の感覚が戻ってきたのは、「本当に最近ですね」と彼は言った。

 豪打を誇る内田との対戦でも、長いケガとの戦いの中で身につけた忍耐力と適応力が、中川を支えたかもしれない。第1セットは、強烈なサービスとフォアで攻める内田の速い展開に、なかなかリズムをつかめず苦戦。第2セットも先にブレークされ、剣ヶ峰に追い込まれた。
 
 だが、徐々にリターンのタイミングがあいストローク戦に持ち込めるようになると、中川の多彩さが生きてくる。第2セットを逆転で奪うと、第3セットは「(リズムを)つかんでいたので、自然と良いプレーが増えました」という中川が激戦を制した。

 テニスのできない時間を長く過ごした中川だが、だからこそ、コロナ禍によるツアー中断期間を有効活用できた側面もあるだろう。ウェイトトレーニングに時間を裂き、サービスのスピードが上がったことが、プレーに一本の軸を通すようになった。

 先月は、盛田ファンドの先輩である西岡良仁のヒッティングパートナーとして欧州遠征に帯同し、新たなモチベーションを得もしたようだ。

 世界の大舞台で戦う目標は、今もブレることはない。その足掛かりとするためにも、今回の全日本選手権では、頂点のみを目指している。

【男子シングルス準々決勝】
○中川直樹(橋本総業HD) 4-6 7-5 6-2 内田海智(富士薬品)[3] ●
※名前の後の数字はシード

取材・文●内田暁

【全日本選手権PHOTO】3日目|女子は日比野がストレートで4強入り、男子は第1シードの清水を破った山﨑らの激戦を厳選写真で振り返り!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号