テニスシューズが消耗しやすいのはアッパーの内側部分、親指の付け根あたりだ。横滑りしながらボールを打つことが多い綿貫も、この部分が擦れて破れてしまいやすいという。しかし、このシューズはアッパーに耐摩耗性が非常に高い特殊な樹脂素材を採用。これが軽さと丈夫さという相反する性能をハイレベルで実現した。

　さらに、綿貫の激しいフットワークを下から支えるのが「ツイストラスト」というパーツだ。つま先側とかかと側をつなぐように、ソールのアーチ部分に配置されたこのパーツは、シューズのねじれを適度に抑えてくれる。
 
「これがめちゃくちゃいい。横に大きく踏み出す時とかにねじれが起きるけど、柔らかすぎると支えが効かずに捻挫してしまうし、硬すぎると（くるぶし部分に）シューズが当たってすごく痛い。でもこれは、柔らかすぎることもなく硬すぎることもない、ちょうどいいねじれでサポートしてくれるんです」
  　また、１月22日から発売される『SOLUTION SPEED FF２』は、動き出し1歩目が素早く踏み出せるようにデザインされ、アウターソールのグリップ性も強化された。これが、後方でのラリー戦からネットに詰める際の前への動きをサポート。チャンスをポイントにつなげるための強力な武器となる。

　絶大な信頼を置くアシックス製品と共に歩む2021年シーズン。綿貫は「緊張しますね！」と笑いつつも「昨年あまり試合ができなかったし、オリンピックもあるのでみんな気合が入っていると思う。それに負けじと頑張りたいですね」と真剣な表情で語った。

　新型コロナウイルスの影響によるツアー中断で、2019年シーズンのランキングポイントが一部凍結されている現在、同年に好成績を上げた綿貫にとっては、その時のポイントの多くを今夏までキープできるという幸運な状況だ。これを追い風に、さらに勝ち星を重ねてオリンピック出場圏内へのランクアップを狙う。22歳の若武者の活躍に期待だ。

取材・文●金元雄太（スマッシュ編集部）

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https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/tennis/solution_speed_ff2