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海外テニス

【現地発レポート】全豪オープン前哨戦での出来は?錦織は「2セット目は全部良かった」、西岡はダブルスで奮起〈SMASH〉

内田暁

2021.02.04

ロシアに一矢報いた西岡良仁・マクラクラン勉組。(C)Getty Images

ロシアに一矢報いた西岡良仁・マクラクラン勉組。(C)Getty Images

 ただもちろん、全てがうまくいったわけではない。特に、勝者と敗者が揃って挙げた「試合の鍵」が、「大事なポイント」でのプレーだ。

「ボレーに出るタイミングが悪かったのか、大事なポイントを落としましたが」と錦織が振り返るように、第2セットの第9ゲームではボレーをネットにかけ、このポイントが分岐点となった。メドベージェフも「大切な場面で自分はしっかりボールを返すことができ、圭はミスをした」と言い、同時に「圭はそういう状況での練習が足りなかっただろうから」と、錦織の状況を慮った。

 勝者が言及した通り、勝敗を分けうる重要な局面での判断力やプレーの精度は、実戦の中でしか得ることのできないものだろう。「日に日に調子は上がってきている」という錦織の言葉通り、今はボールを打つ時間こそが、何よりの財産となる。

 錦織対メドベージェフ戦に先立って行なわれたシングルス2の西岡良仁対アンドレイ・ルブレフ戦では、昨年終盤に驚異の急成長を見せたロシアの新鋭が、その勢いと実力を誇示した。

 立ち上がりこそ「とても緊張していた」というルベレフを揺さぶり西岡がブレークするも、早いタイミングでボールを捉え、コート上のどこからでもウイナーを狙うかのような世界8位の強打に、西岡は劣勢に回る。
 
 第2セットは西岡らしい守備や、軌道の高いボールで相手のミスを誘う場面も見られたが、「打たれた時にうまく守備ができなかった。自分の思ったような展開が少なかった」と唇を噛んだ。

 その「モヤモヤ」を払拭すべく、西岡は3試合目のダブルスで奮起する。リターンを鋭く相手コートに打ち返し、ボレーを決めてはガッツポーズを振り上げた。10ポイントマッチタイブレークにもつれ込む熱戦を、最後の最後で制して報いた一矢。

 ペアを組んだマクラクラン勉も、「ヨシの闘争心はすごい。初めてペアを組んだけれど、一緒にプレーして楽しかった。ボレー、全部決めてくれてありがとう」と笑みをこぼした。

 なお日本がシングルス2試合に破れた時点で、ロシアのラウンドロビン突破が確定。日本は、2月4日にアルゼンチンと対戦する予定だったが、選手や関係者が滞在していたホテルの従業者にコロナ陽性者が出たため、この日に予定されていた試合は全てキャンセルされた。

現地取材・文●内田暁

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