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海外テニス

「ものすごく練習熱心で素直」。次代のナダルと呼ばれる17歳のアルカラスは、スペインの愛されキャラ【全豪オープン/現地発レポート】〈SMASH〉

内田暁

2021.02.13

アルカラスは2020年リオオープンでATPツアー初勝利を挙げている。(C)Getty Images

アルカラスは2020年リオオープンでATPツアー初勝利を挙げている。(C)Getty Images

 また、全豪オープン開幕前に練習を共にしたナダルは、自身の後継者と目される17歳に、「彼には情熱と激しさがある。素晴らしいショットがあり、安定感もある。偉大なるチャンピオンになる要素を全て揃えている」と、冷静かつ温かなエールを送った。

 それら、身近にして偉大な先達たちが見出す資質を、アルカラスは破れた2回戦のミカエル・イーマー戦でも光らせる。

 セットカウント3-1の勝利を手にしたイーマーは、「彼が常に冷静なことに驚いた。負けていても競った場面でも、全く気持ちの浮き沈みが見られない」と驚きを隠さない。また、「彼は人間的にも素晴らしいと感じる。単に偉大なチャンピオンではなく、子どもたちが憧れる、偉大なロールモデルになるだろう」と、最大級の賛辞を口にした。
 
 ただ、破れた17歳が自身に下す評価は、周囲のそれより遥かに厳しい。「第2セットでは相手がプレーの質を上げたため、緊張してしまった。セットを落とした時、集中が切れ、自分に苛立ち、考えがクリアにならなかった」

 そう敗因を明瞭に振り返ると、「次の大会では、常に集中し、不貞腐れた態度を取らないようにがんばりたい」と、目に純朴な光を宿した。

 誰もが認めるアスリートの資質に加え、彼には人を魅了し、手を差し伸べたいと思わせる人徳がある。それこそが“次代のナダル”になりえる、何より得難い資質だろう。

現地取材・文●内田暁
 
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