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海外テニス

選手を苦しめる「ネットの誹謗中傷」にテニス連盟らが“ソーシャルメディア・ボイコット”で抗議<SMASH>

内田暁

2021.05.09

昨年19歳で全仏オープンを制覇したシフィオンテクもSNSを通じた嫌がらせの存在を問題視している。(C)GettyImages

昨年19歳で全仏オープンを制覇したシフィオンテクもSNSを通じた嫌がらせの存在を問題視している。(C)GettyImages

 このITFのアクションについて、大坂なおみは「運営組織がこの問題に向き合うのは良いことだし、もっと対処すべく動いて欲しいと思う」と私見を口にした。

 今では、インスタグラムやツイッターを積極的に活用している大坂だが、かつてはネットの書き込みを見るのを恐れて、携帯電話も持たなかったという。16歳の時に米国誌で受けたインタビューで、彼女は次のように語っている。

「インターネット上では、ときどき人は常軌を逸してしまうと感じる。ネットを見ると『彼女はブラジアンなの?』という書き込みばかり。ブラジアンって、なに? 私は日本人であって、ブラックよ」

『ブラジアン』とは、『Black(ブラック)』と『Asian(アジアン)』を合わせたスラング。人種に端を発したメッセージを見ることを、彼女は極力避けていたのだろう。

 今、ソーシャルメディアで自らの意見を発信している大坂は、「ラッキーなことに、今は受け取るメッセージの多くはポジティブなもの。ギャンブルで思い通りにならなかった人たちの言うことなんて、どうでもいいと思えるようになった」と言った。
 
 昨年の全仏オープン優勝で一気に知名度が上がったイガ・シフィオンテクは、「インスタグラムもフェイスブックも、知らない人からのメッセージは受け取れないようにしている」という。

 そのうえで「問題が存在していることは知っていたし、組織がこうやって世に問題提起するのは良いこと」と続け、次のように提言した。

「実際に世のなかを変えるとなると、多くの学習が必要になると思う。例えば、わたしのサイコロジスはウェビナー(ウェブでのセミナー)を開き、書き込みが人に与えるインパクトについて説いている。書く人は、その言葉がどれほど人を傷つけるか、テニス選手がどれだけのプレッシャーや面倒なことに耐えながらツアーを転戦しているか知って欲しい」

 今回のソーシャルメディア・ボイコットには、最終的に国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)などの団体に加え、コモンウェルスゲームズ連盟、国際総合格闘技連盟(IMMAF)、さらにF1ドライバーのルイス・ハミルトンらも加わる一大ムーブメントに発展した。

「これだけ多くの競技団体が結束して立ち上がったことを、心から誇りに思う」

 F1史上初の黒人ドライバーは一連の動きを喜ぶと同時に、F1も含めより、多くの競技がこの問題改善に取り組むことを求めた。

文●内田暁

【PHOTO】大坂なおみ他、世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!

 

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