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海外テニス

「ここから挽回するのは極めて難しい」愛するウインブルドンでフェデラーが感じた受け入れがたいギャップ<SMASH>

内田暁

2021.07.09

数々の名勝負を生んできたセンターコートに別れを告げるフェデラーの胸中は…。(C)Getty Images

数々の名勝負を生んできたセンターコートに別れを告げるフェデラーの胸中は…。(C)Getty Images

 来月に40歳を迎えるフェデラーが、2度のヒザの手術から復帰したばかりである事実を、多くの人々は、忘れかけていたかもしれない。

 本人も、その苦難について、多くを語ろうとはしてこなかった。

 ただ、ウインブルドンで3-6、6-7、0-6の敗戦を喫した後、彼は次のように述懐している。

「回復は、ものすごく遅かった。本来は去年のウインブルドンで復帰するつもりが、実勢には今年のウインブルドンに、かろうじて間に合ったのだから」

 今後……を控え目に問う声は、当然、会見の席で彼に向けられた。

 それらに対する答えはシンプルに、東京オリンピックも含め、すべては白紙だというものだ。
 
 そのうえで彼が繰り返し強調したのは、「チームと相談する」ということである。

「あらゆることについて、チームと話し合う必要がある。彼らが思うことに耳を傾け、自分が感じていることを伝え、そして、ここから先に進んでいく」

 数々の記録と、それ以上にファンや後進への影響も含め、テニス界に多大な業績を刻んできたレジェンドは、主観と現実の乖離を外部からの客観的な視線で埋め、自分が進むべき道を見定めにかかっている。

現地取材・文●内田暁

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