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海外テニス

「2年で結果が出なかったら引退」全豪オープン初戦敗退の西岡良仁を悩ます“負のスパイラル”<SMASH>

内田暁

2022.01.19

西岡らしい痛快なプレーが再びコート上で見られることを多くのファンが願っているはずだ。(C)Getty Images

西岡らしい痛快なプレーが再びコート上で見られることを多くのファンが願っているはずだ。(C)Getty Images

 170センチの身体は、選手の大型化が進む昨今の男子テニス界において、圧倒的に小柄な部類だ。ツアー全体を見渡しても、西岡と同等の体格の選手は、ディエゴ・シュワルツマンくらいしか見当たらない。

 その西岡が、パワーで勝る上位勢相手に数々の勝利を手にしてきたのは、「いつも動画を見ながら相手を研究している」という分析力。さらには、立案した作戦を完遂するだけの胆力と、小さな身体に溢れんばかりに詰めこんだ負けず嫌い魂があってこそ。そして何より、戦略がハマった時に覚える、アドレナリンが噴き出るような快感だ

 そのように心技体を総動員して戦う西岡だからこそ、ツアーそのものを楽しむことは、試合や練習と等価に重要な要因だった。好調だった2019年には、試合のない日は練習をせず、観光や食事でリフレッシュし結果を出した大会も少なくない。
 
 だが、コロナ禍のツアーでは外出もままならず、外界からのインスピレーションも得られない。閉塞感が募る遠征生活の中で、負のスパイラルに陥っているのが、今の西岡なのだろう。

「2年で結果が出なかったら引退」の言葉は、ツアーの厳しさを知り尽くす西岡が口にした時、リアルな質感を帯びる。

 それでもやはり、彼にはまだまだ、長く活躍して欲しいと願わずにはいられない。

 彼ほど、テニスの奥深さと可能性をコートに描き、観る者に「柔よく剛を制する」痛快な喜びを与えてくれるプレーヤーは、他に居ないのだから。

現地取材・文●内田暁

【PHOTO】西岡良仁が日の丸を背負って戦った東京五輪と代表選手たち
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