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海外テニス

日本代表、デ杯で王者フランスに大善戦!73位の西岡が10位のモンフィスに下剋上、ダブルスも世界最強ペアを追い詰める

内田暁

2019.11.20

1勝1敗で迎えたダブルス。マクラクラン勉(左)と内山靖崇(右)はフランスペアに善戦。(C)GettyImages

1勝1敗で迎えたダブルス。マクラクラン勉(左)と内山靖崇(右)はフランスペアに善戦。(C)GettyImages

 さらに今季の西岡には、ランキングには反映しきれない経験の数々と学びがある。敗れるもホアン・マルティン・デルポトロやディエゴ・シュワルツマンと死闘を演じ、錦織圭やダビド・ゴファンからは勝利をつかみ取った経験から、今の彼は、トップが相手でも「少ないチャンスは必ずある」と確信し、「それを取り切れるかどうかで、上の選手に勝てるかが変わってくる」ことを知っている。だから西岡はモンフィス戦でも、チャンスと見れば迷うことなくネットに詰め、甘いボールが来れば際どいコースに強打を打ち込んだ。

「チャンスで思い切ってプレーして、取れなかったらしかたないという割り切りのなかで、最近プレーするようになってきた」という西岡のメリハリが、明らかにモンフィスを混乱させていく。

 第1セットの第11ゲームを西岡がブレークすると、流れは一気に傾いた。第2セットでも西岡は、時に快足を飛ばして相手の強打を拾いまくり、時に鋭いバックでウイナーを奪い自らを盛り立てる。最後はサービスウイナーで勝利を決めた西岡は、その瞬間、歓喜を分け合うように総立ちになる日本ベンチに両手の人差し指を向けた。
 
 西岡のこの勝利に誰より奮い立ったのは、今や日本チーム不動のペアとなった、マクラクラン勉と内山である。

 対戦するのは、わずか2日前にATPツアーファイナルズを制したピエール‐ユーグ・エルベール/ニコラ・マユ組だが、マクラクランは、「ヨシ(西岡)が勝って気持ちがエキサイトした。チャンスがある」と勝利を信じ、内山は「ヨッシーが勝ってシングルスの負けを取り返すチャンスをもらえた中で、なんとか取り返したい」と感奮する。

 その熱い思いを、2人はそのままコートに描いた。マクラクランが巧みなボレーを沈めれば、内山は相手の壁をぶち破るように強打を放っていく。第2ゲームのブレークの危機を凌ぐと、以降は危なげなくゲームキープ。もつれ込んだターブレークでも果敢に攻めた日本ペアが、第1セットを奪い取った。
 

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