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海外テニス

「心構えが変わりました」パートナーと“試合を楽しむ”気持ちを取り戻した加藤未唯が4週連続の好成績!<SMASH>

内田暁

2022.08.24

加藤は全仏オープンの前あたりから、パートナーと共にテニスを楽しめるようになってきたという。それは組む相手がマホメドになっても変わらない。写真:内田暁(左)、Getty Images(右)

加藤は全仏オープンの前あたりから、パートナーと共にテニスを楽しめるようになってきたという。それは組む相手がマホメドになっても変わらない。写真:内田暁(左)、Getty Images(右)

 第2セットに入ると、一進一退の攻防が続く。もっとも、緊迫の展開を満喫するファンの声が、加藤の闘志に火をくべた。「ダブルスでは、ポイントを決めてもあまり声を出すことがなかった」という加藤が、ボレーを叩き込み「ヤッ!」と叫ぶ。

 試合に終止符を打ったのは、マホメドから、「自分の判断で好きなコースに打って」と言われていたリターン。打った瞬間、勝利を確信するこの日一番の声が、青空に上った。

 直近の4大会で加藤が残した戦績は、ベスト4(WTAツアー250)、準優勝(同250)、ベスト4(同250)、そして今回が優勝と好調。その理由を尋ねると、小さく「うん」と自分に確認するようにうなずき、彼女はこう続けた。

「フレンチオープンの前くらいかな。楽しくなってきたんですよ、テニスが。フレンチから組み始めたパートナー(アルディラ・スチアディ)が良い子やし、同じアジア系で文化とかも似ている。そういうのを話してたら楽しいし、一緒にプレーしてても楽しい。それが結果にも出ているのかなと思ったり」
 
「以前は、月曜日が来るたびに『また試合か……』と思ってたんですが、今は『明日は試合か!』と、前向きに臨めている。心構えが変わりましたね。やっぱりパートナーによって、楽しいかどうか決まってくるのかなって」

 気の合うパートナーを得たことでテニスの楽しさを思い出し、勝利を得ることで、他のパートナーとも楽しみプレーする余裕が生まれる。

 自らが生んだ好循環の波に飛び乗り、生粋のエンターテイナーは、さらなる楽しみと勝利をつかみ取りに行く。

取材・文●内田暁

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