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海外テニス

ベストパートナーを得たマクラクラン勉が復活の2週連続優勝! 貫いた「最後までファイトする」気持ち<SMASH>

内田暁

2022.08.25

昨年はATP500のシティOPで優勝したマクラクラン。そのポイントは失ったが、シカゴ、バンクーバーとチャレンジャー2大会で連続優勝した。Getty Images

昨年はATP500のシティOPで優勝したマクラクラン。そのポイントは失ったが、シカゴ、バンクーバーとチャレンジャー2大会で連続優勝した。Getty Images

 新たな取り組みの成果は、バンクーバー開催のATPチャレンジャー決勝戦でも、存分に発揮された。第1セットを失うも、第2セットをタイブレークの末に奪取。迎えた10ポイントマッチタイブレークでは、5-8の劣勢から、2本のマッチポイントを凌ぎ逆転勝利をつかみ取った。

 マッチタイブレークでは、自らのミスに憤ったマクラクランが、ラケットを投げる珍しいシーンも。ただこの後、彼のプレーは冴え始める。8-8の局面では、フォアのスライスを逆クロスに決め、雄叫びと共に激しく拳を握りしめた。

「ラケットを投げたのは良くなかったけれど、一度(ストレスを)リリースして、もうちょっと楽にプレーができるようになった。それまではリターンのことばかり考えて、ミスが増えていたから……」

「たまには、ああいうのも良いのかなー?」口の端を少し上げ、気恥ずかしそうに彼は笑った。
 
 このバンクーバーでの戴冠がうれしいのは、それが単なる1タイトルに留まらず、未来につながる勝利だから。

「今日の僕のプレーは良くなかった。それでも最後までファイトして、大切なポイントを取れた。これは、ここ1か月くらい取り組んできたこと。調子が良くない時も、ずっと集中することが課題だった。それが良くできたのは、本当にうれしい」

 ゴランソンと組んで、3か月。チャレンジャー2大会連続優勝は、始まりの始まりだ。

 良いことずくめの昨今の趨勢のなか、唯一残念なのは、来週の全米オープンに入るには両者の合計ランキングが足らず、別々のパートナーと組むことである。

 だからこそ直近の目標は、「来年の全豪オープンには、2人で組んで出られるまでランキングを上げること」。そして近い将来には、「トップ10に入り、グランドスラムで優勝する」ことだ。

取材・文●内田暁

【PHOTO】マクラクラン勉をはじめ世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!
 

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