以前の常識では、フレームが重いほど打球のパワーを与えやすい……でしたが、フレームの全体重量が非常に軽くても、先端が重ければ、打球に十分なパワーを与えられるとして、いわゆる「ハンマー構造」のラケットが誕生しました。
振り始めはしんどいけど、振り出してしまえばハイパワーを発揮するという考え方が一般的になったため、その「振り始めやすさ:パワー伝達効率」を示す数値として、スイングウェイトが注目を浴びるようになったわけです。
適切なラケット選びに効果があるとして、テニス専門店ではスイングウェイト計測マシンを導入し、アドバイスに活用しているところも少なくありません。
とはいえ、「じゃあスイングウェイトだけ見て、重さやバランスは無視していいの?」と聞かれると、テニスのスイングはそんなに単純なものではありません。
スイングウェイトは、あくまで「グリップを支点とした動かしやすさ」です。でも実際のスイングは手首だけを支点としたものではなく、ヒジ支点の前腕の動き、肩支点の腕全体の動き、さらには身体の回転軸も加えた回転連鎖運動の結果です。
全体運動にとっては、ラケットは「1つの塊」となりますから、ラケット全体の重さも「振りやすさ:パワー伝達効率」の要素に大きく関与します。
ですからどれか1つの数値だけで断定せず、3つの数値の組み合わせに目を配りながら、色んなラケットを経験して、自分に適切なものを見つけてください。
文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2021年1月号より抜粋・再編集
【PHOTO】最大限のスピードでラケットを振ったトッププロのインパクトの瞬間
振り始めはしんどいけど、振り出してしまえばハイパワーを発揮するという考え方が一般的になったため、その「振り始めやすさ:パワー伝達効率」を示す数値として、スイングウェイトが注目を浴びるようになったわけです。
適切なラケット選びに効果があるとして、テニス専門店ではスイングウェイト計測マシンを導入し、アドバイスに活用しているところも少なくありません。
とはいえ、「じゃあスイングウェイトだけ見て、重さやバランスは無視していいの?」と聞かれると、テニスのスイングはそんなに単純なものではありません。
スイングウェイトは、あくまで「グリップを支点とした動かしやすさ」です。でも実際のスイングは手首だけを支点としたものではなく、ヒジ支点の前腕の動き、肩支点の腕全体の動き、さらには身体の回転軸も加えた回転連鎖運動の結果です。
全体運動にとっては、ラケットは「1つの塊」となりますから、ラケット全体の重さも「振りやすさ:パワー伝達効率」の要素に大きく関与します。
ですからどれか1つの数値だけで断定せず、3つの数値の組み合わせに目を配りながら、色んなラケットを経験して、自分に適切なものを見つけてください。
文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2021年1月号より抜粋・再編集
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