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海外テニス

【全豪オープンテニス】穂積絵莉、加藤未唯、柴原瑛菜ら日本女子ダブルスのそれぞれの歩み<SMASH>

内田暁

2023.01.23

ダブルス好調の加藤(左)と、再びペアを組んでいる柴原(中)/青山(右)。(C)Getty Images

ダブルス好調の加藤(左)と、再びペアを組んでいる柴原(中)/青山(右)。(C)Getty Images

 二宮に、「ダブルスで勝ってシングルスもやりたい」と思わせた要因の一つが、同期の加藤未唯だ。加藤もこの4年ほどダブルスを中心にツアーを周っていたが、昨年終盤は横浜開催のITF25,000ドル大会で準優勝、京都のITF6万ドルでは優勝し、1000位台だった単ランキングを一気に300位台まで上昇させた。

 単複両立の相乗効果だろうか、加藤は今季開幕戦のオークランド(WTAツアー)のダブルスでも優勝。昨年の全仏オープンから組みはじめたアルディラ・スチアディ(インドネシア)とは、プレーも性格面でも愛称が良く、「ツアーそのものが楽しい」と感じているという。

 ただ今後課題になりそうなのが、単複のバランス。シングルスに出たい思いはある。ただダブルスのランキングが上がったことで、ツアーの上位大会にも出られるようになった。3月末のマイアミ・オープンまでは、今のパートナーと出場予定。そこからは、シングルスにも出て行く心意気だ。
 
 かつて不動のペアだった青山修子と柴原瑛菜は、昨年は組む機会が激減した。柴原がシングルス挑戦を望んだため、ダブルス専念の青山とはスケジュールが合わないことが多かったためだ。

 ただその間にも柴原は、複数のパートナーと組みながら新たな経験を積み、腕を磨いた。とりわけ本人が「上達した」と感じているのが、前衛での動き。

「去年はストロークが得意な選手と組むことが多かったので、私は前で頑張りました」
そう笑う柴原の成長を、青山も「試合中も『届いたー!』と叫びながらボールに飛びついています」と優しく評する。

 その青山も昨年は、リターンを重点的に磨き、後方からの打ち合いにも自信が持てていると言った。ツアーでは1年ぶりに組んだ昨年のベスト4ペアが、新たなケミカルを生み始めている。

 今大会、もう一人ダブルスに出場したのが、単複両方でワイルドカードを得た内島萌夏。シングルスも含め、これが彼女にとって初のグランドスラムである。

 シングルスでは初戦で敗れたが、3日後のダブルスで初勝利。全日本選手権ダブルスタイトルも持つ21歳は、「ダブルスは苦手なのに、ジュニアの頃から、いつも先に結果が出るのはダブルス」と苦笑い。

「グランドスラムでも、そうなれば」と、ポジティブなジンクスを携えメルボルンを後にした。

現地取材・文●内田暁

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