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海外テニス

【レジェンドの素顔17】テニス界で唯一『年間ゴールデンスラム』を達成したグラフは向上心の塊だった│後編<SMASH>

立原修造

2024.12.30

自身のテニスを把握し、努力し続け、“女王グラフ”への道を歩んでいった。(C)Getty Images

自身のテニスを把握し、努力し続け、“女王グラフ”への道を歩んでいった。(C)Getty Images

<理屈じゃない。数多くボールを打って、ボレーに慣れるしかない>

 サービスは、年齢とともに大変身する可能性を秘めている。特に、スイングの時に肩がよく回っているのが強味だ。バックスイングのタメから肩をしっかり回してボールを捉えている。これができると、ボールはもっと速くなるし、スピンもよくかかる。

 しかもグラフはすでにセカンドサービスを深く入れる技術を持っている。これがあるから、相手にリターンダッシュをなかなか許さないのだ。この上にファーストサービスに磨きがかかれば、近い将来サービスエースを連発!といったこともしばしば可能になるに違いない。

 グラフは実にクレバーな少女である。自分に何が欠けていて、今後何が必要なのか、ちゃんとわかっている。しかも、その目は10年先まで見通している。
 
 時代が21世紀を迎える頃には、女子テニス界はグラフを中心に展開されていくことになるだろう。当然グラフは、今よりもっとグレードアップした攻撃的なオールラウンドプレーヤーとして、“最強の女”を目指すことになる。グラフの華麗なる変貌に興味は尽きない。

※その後グラフは、1991年3月11日まで186週連続で世界1位を維持した。また、88年にはグランドスラムとソウル五輪の金メダルを獲得し、テニス界で唯一『年間ゴールデンスラム』の偉業を達成した

文●立原修造
※スマッシュ1987年12月号から抜粋・再編集
(この原稿が書かれた当時と現在では社会情勢等が異なる部分もあります)

【連続写真】グラフ、ボルグ、コナーズetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.1
 
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