トレーナーの大瀧もやはり、ナショナルチームで知り合った人脈だ。大瀧の治療院と島袋の家が近かったという、地縁もあった。大瀧の診療所に通う島袋が、デビスカップのサポートメンバーとしてチーム帯同した頃から、両者はより深く話すようになったという。
大瀧がツアーにも帯同するようになったのは、昨年11月の神戸開催のATPチャレンジャーから。遠征に一緒に出れば、治療はもちろん、トレーニング等も見る。
それら、技術修得と身体のメンテナンスに加え、島袋がプロになる以前から痛感していたのが、「フィジカル強化の重要性」だったという。
そのためにナショナル入りした大学2年生の頃から、松田にトレーニングメニューを作ってもらうようになった。プロ転向年の2020年はコロナ禍のため試合機会は限られたが、「逆にトレーニングができて良かった」と、むしろ前向きに捉えている。
プロ転向と同時に、これだけの経験豊富な一流スタッフを雇うことは、生臭い話をすれば金銭面では楽ではない。実際に島袋も、「見ての通りチームが多いので、やっぱり金銭的に出費も多いです」と苦笑いをこぼした。
「でも最初に、自己投資しないと。やっぱりケチケチしてても後から返ってこないし、逆に使った分は絶対戻ってくると思っている」
そのような信念やプロ意識は、「それこそ(西岡)良仁くんや、内山(靖崇)先輩とかのアドバイスもあった」と明かした。
「プロ1年目はツアーを回る機会がなかったんですが、逆にトレーニングや練習など、良仁くんらプロの方と一緒にさせていただいたんです。場所はNTCだったり、外のコートのこともありました。その時に、本当にいろんな話や助言を聞かせていただけたのが大きくて。準備期間というか、プロに向けて何をやっていくべきか、どのようにステップアップするかを相談させていただけたのは、本当に大きかったです」
そう語る島袋の姿は、確かに西岡が主催するジュニア育成大会“Yoshi's Cup”にも、解説者としてあった。そこで見聞した、西岡がジュニアたちに伝える“プロの心得”は、島袋自身が胸に刻んだ薫陶でもあっただろう。
日本男子勢では、大学卒業後にグランドスラムに達する前例がほぼない中、島袋の選択や歩んだ道は、後進にとっての指標ともなるだろう。
なお島袋はウインブルドン予選2回戦でも、地元期待の20歳、トミー・サミュエルに逆転勝ち。現地時間29日に、本戦を懸けて芝巧者のデニス・クドラに挑む。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】島袋将のジャックナイフ、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
大瀧がツアーにも帯同するようになったのは、昨年11月の神戸開催のATPチャレンジャーから。遠征に一緒に出れば、治療はもちろん、トレーニング等も見る。
それら、技術修得と身体のメンテナンスに加え、島袋がプロになる以前から痛感していたのが、「フィジカル強化の重要性」だったという。
そのためにナショナル入りした大学2年生の頃から、松田にトレーニングメニューを作ってもらうようになった。プロ転向年の2020年はコロナ禍のため試合機会は限られたが、「逆にトレーニングができて良かった」と、むしろ前向きに捉えている。
プロ転向と同時に、これだけの経験豊富な一流スタッフを雇うことは、生臭い話をすれば金銭面では楽ではない。実際に島袋も、「見ての通りチームが多いので、やっぱり金銭的に出費も多いです」と苦笑いをこぼした。
「でも最初に、自己投資しないと。やっぱりケチケチしてても後から返ってこないし、逆に使った分は絶対戻ってくると思っている」
そのような信念やプロ意識は、「それこそ(西岡)良仁くんや、内山(靖崇)先輩とかのアドバイスもあった」と明かした。
「プロ1年目はツアーを回る機会がなかったんですが、逆にトレーニングや練習など、良仁くんらプロの方と一緒にさせていただいたんです。場所はNTCだったり、外のコートのこともありました。その時に、本当にいろんな話や助言を聞かせていただけたのが大きくて。準備期間というか、プロに向けて何をやっていくべきか、どのようにステップアップするかを相談させていただけたのは、本当に大きかったです」
そう語る島袋の姿は、確かに西岡が主催するジュニア育成大会“Yoshi's Cup”にも、解説者としてあった。そこで見聞した、西岡がジュニアたちに伝える“プロの心得”は、島袋自身が胸に刻んだ薫陶でもあっただろう。
日本男子勢では、大学卒業後にグランドスラムに達する前例がほぼない中、島袋の選択や歩んだ道は、後進にとっての指標ともなるだろう。
なお島袋はウインブルドン予選2回戦でも、地元期待の20歳、トミー・サミュエルに逆転勝ち。現地時間29日に、本戦を懸けて芝巧者のデニス・クドラに挑む。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】島袋将のジャックナイフ、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』