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国内テニス

車いすプレーヤーと健常者が組んで白熱の試合を展開!テニスという競技が持つ想像を超えた可能性を示す大会<SMASH>

内田暁

2023.12.09

一瞬の隙を見逃さないハイレベルな試合を披露した健常者と車いすプレーヤーがペアを組むニューミックス。写真=内田暁

一瞬の隙を見逃さないハイレベルな試合を披露した健常者と車いすプレーヤーがペアを組むニューミックス。写真=内田暁

 そんなジュニアの二人が熱視線を送った一戦は、松井/荒井組と、加藤未唯/眞田組のカード。加藤と眞田の「グランドスラム優勝ペア」の肩書きに対し、ニューミックスダブルスの経験に勝る松井は「キャリアの差を見せてやる!」と試合前から意気込んだ。

 果たして試合は、一進一退の熱い攻防が繰り広げられる。特に、ダブルスが有するチーム戦的戦略性に一層の深みをもたらすのが、“2バウンドOK”の車いす選手限定ルール。ニューミックスダブルス参戦を希望し、今回願い叶った加藤は、「ドロップ(ショット)が効かない!」と苦笑いした。

「決まったと思ったドロップに、荒井選手がすごい走りで追いつき、豪快にパッシングを決められてしまった。そこは実際に体験しないとわからないことで、今回の新たな発見です。気持ちを入れてやらないと、簡単に負けてしまうとも感じたし、互角にできますし、やっぱり、すごく楽しかった」
 
 ニューミックスダブルス初体験をそう振り返る加藤は、「私もこの経験を皆さんに伝えていけたらなと思ったので、どうにか広めていきたい」と笑みをこぼした。

 3年前に発足した同イベント発起人の松井は、シンプルに、テニスという競技そのものが持つ力を信じる。

「車いすの選手って、やっぱすごいんですよ。僕はTTCで彼らを見て育っているし、小さいときから車いすの選手と練習試合で負けたりしているので、気持ちの壁とかも本当に全然ない。実際に試合やったら、それはわかるじゃないですか。だからこの数時間でも、そういう気持ちになってもらえたらなって」

 松井の言う、コート上の選手と観客が共有した「そういう気持ち」。その輪を幾重にも重ね、広げていくことが、イベントに関わったすべての人たちの願いだ。

取材・文●内田暁

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