そんなジュニアの二人が熱視線を送った一戦は、松井/荒井組と、加藤未唯/眞田組のカード。加藤と眞田の「グランドスラム優勝ペア」の肩書きに対し、ニューミックスダブルスの経験に勝る松井は「キャリアの差を見せてやる!」と試合前から意気込んだ。
果たして試合は、一進一退の熱い攻防が繰り広げられる。特に、ダブルスが有するチーム戦的戦略性に一層の深みをもたらすのが、“2バウンドOK”の車いす選手限定ルール。ニューミックスダブルス参戦を希望し、今回願い叶った加藤は、「ドロップ(ショット)が効かない!」と苦笑いした。
「決まったと思ったドロップに、荒井選手がすごい走りで追いつき、豪快にパッシングを決められてしまった。そこは実際に体験しないとわからないことで、今回の新たな発見です。気持ちを入れてやらないと、簡単に負けてしまうとも感じたし、互角にできますし、やっぱり、すごく楽しかった」
ニューミックスダブルス初体験をそう振り返る加藤は、「私もこの経験を皆さんに伝えていけたらなと思ったので、どうにか広めていきたい」と笑みをこぼした。
3年前に発足した同イベント発起人の松井は、シンプルに、テニスという競技そのものが持つ力を信じる。
「車いすの選手って、やっぱすごいんですよ。僕はTTCで彼らを見て育っているし、小さいときから車いすの選手と練習試合で負けたりしているので、気持ちの壁とかも本当に全然ない。実際に試合やったら、それはわかるじゃないですか。だからこの数時間でも、そういう気持ちになってもらえたらなって」
松井の言う、コート上の選手と観客が共有した「そういう気持ち」。その輪を幾重にも重ね、広げていくことが、イベントに関わったすべての人たちの願いだ。
取材・文●内田暁
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【連続PHOTO】松井俊英の攻撃的バックハンドリターン『30コマの超分解写真』
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果たして試合は、一進一退の熱い攻防が繰り広げられる。特に、ダブルスが有するチーム戦的戦略性に一層の深みをもたらすのが、“2バウンドOK”の車いす選手限定ルール。ニューミックスダブルス参戦を希望し、今回願い叶った加藤は、「ドロップ(ショット)が効かない!」と苦笑いした。
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ニューミックスダブルス初体験をそう振り返る加藤は、「私もこの経験を皆さんに伝えていけたらなと思ったので、どうにか広めていきたい」と笑みをこぼした。
3年前に発足した同イベント発起人の松井は、シンプルに、テニスという競技そのものが持つ力を信じる。
「車いすの選手って、やっぱすごいんですよ。僕はTTCで彼らを見て育っているし、小さいときから車いすの選手と練習試合で負けたりしているので、気持ちの壁とかも本当に全然ない。実際に試合やったら、それはわかるじゃないですか。だからこの数時間でも、そういう気持ちになってもらえたらなって」
松井の言う、コート上の選手と観客が共有した「そういう気持ち」。その輪を幾重にも重ね、広げていくことが、イベントに関わったすべての人たちの願いだ。
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