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国内テニス

スキージャンプの葛西紀明が“テニスにハマる”レジェンドならではの正当な理由<SMASH>

内田暁

2024.01.02

テニス上達を熱望する葛西氏は勉強のためにとテニスツアーも観戦するという(写真は2023年の東レPPO会場にて)。写真:田中研治(THE DIGEST 写真部)

テニス上達を熱望する葛西氏は勉強のためにとテニスツアーも観戦するという(写真は2023年の東レPPO会場にて)。写真:田中研治(THE DIGEST 写真部)

「ジャンプも、思いっきり飛ぼうと思っても、あまり飛距離が出ないんです。ほどほどの力加減でやると、『これだけの力で、こんなに飛べるんだ⁉」と思うことがあったりするんですよね。テニスも、そんなに力を入れずに、速い球に合わせてポンと打っただけで、リターンがバーンと飛んだりするじゃないですか。そういうところが、なんか似てるなって感じることはあります。

 ただ、やっぱりテニスは対人競技なので相手との攻防だし、いろんなタイプの選手がいるというのを強く感じます。ドライブボールを打ってくる選手だったり、カットボールを多用する選手など色々あるのは、すごく面白いところだなと思います」

 ちなみに葛西氏が目指すプレースタイルは、「ナダルのようなスピン系」。ただ「すぐにネットに引っ掛かるんですよ」と、苦笑いを漏らした。

 かくもテニスの深みにはまり、上達を熱望する葛西氏は、トッププロたちのプレーにもヒントを見いだそうとしているという。昨年や今年は「東レパンパシフィックオープン」の試合会場にも足を運び、選手の一挙手一投足に目を凝らした。

「僕は個人レッスンを受けていますが、インストラクターの方はグループレッスンもしているので、一緒にグループレッスンも受けさせてもらうこともあるんです。するとダブルスの練習が多いんですが、やっぱりダブルスとシングルスは、全然違うじゃないですか。
 
 昨年の東レPPOではダブルスも見て、細かい動きやフットワークを注意して見ていました。『こういう場面では、ああいう動きするんだ』とか、『ボレーはどういう角度でどう返しているのかな』、『目で追えないほどに速い球が来たときの体勢はどうで、一瞬でどう動いているのかな?』という点に注目してましたね。

 特にどの選手というのはないですけど、やっぱり見ていても、自分がドライブ回転をかけたいタイプなので、そういうボールを打つ選手のプレーは『こういうふうに打つんだな』と参考にします。

 あとは、そんなにコートの端、端を狙って打ってはいないんだなって。バトミントンだったら相手のいないところを狙って打ちますが、テニスはなんだったら真ん中に打って、なかなか攻めなかったり、ミスするのを待ったりする。そういう戦術面も、テニスは奥が深いなって思います」
 
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