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海外テニス

全仏オープン予選開幕!望月慎太郎はフルセットで、齋藤咲良はストレートで初戦突破<SMASH>

内田暁

2024.05.21

全仏オープン予選1回戦(写真)を勝ち抜いた望月慎太郎と齋藤咲良。写真:内田暁

全仏オープン予選1回戦(写真)を勝ち抜いた望月慎太郎と齋藤咲良。写真:内田暁

 今から2週間前、齋藤は全仏予選出場ラインの、15番アウトだった。その後、ワイルドカードで複数の選手たちが繰り上がったため、一気に5番アウトへ上昇。それでも日本を経つ17日の時点で、出場ラインには届かぬまま。

「会場で練習し、ローランギャロスの雰囲気を感じてから翌週の大会に行こう」と、半ば諦め単身パリ行きの飛行機に乗った。

 そんな齋藤の下に予選出場の報が舞い込んで来たのは、パリに着いた翌日の夕方。「やった!」と喜んだものの、赤土のコートに立つのは約1年ぶり。わずか2日間の練習で、初のグランドスラム予選へと望むことになった。

「久しぶりのクレーだし、理想的な準備ができた訳でなかった」と、齋藤は恥ずかしそうに明かす。それでもいざコートに立つと、「思っていた以上にちゃんとプレーができた」と続ける。
 
 試合前には対戦相手のフランシスカ・ジョルジ(ポルトガル/同198位)の動画を見ながら、「あまりフットワークは良くない。ドロップショットやアングルショットを混ぜていこう」と作戦立案。その上で、「ループなどもスパイスとして使いながら、基本はベースラインから下がらない自分のテニス」を心掛けた。

 果たして戦前に描いたそのイメージを、17歳はコート上で体現する。相手の強打を跳ね返し、浮いたボールは迷わずスイングボレーで打ち抜いた。

 第1セットを6-4で競り勝つと、第2セットは齋藤の安定のプレーの前に、相手のミスが増えていく。第4ゲームで迎えた唯一の窮状も、この一年ほど集中的に強化してきたサービスで切り抜けた。終わってみれば、6-4、6-1。完勝ともいえるデビュー戦だった。

 もっとも当の齋藤は、「快勝」と呼ぶことを躊躇する。

「快勝かはわからないけれど、良い形では終われた。予選に入れたことに感謝しながら、一つひとつ戦っていきたいです」と真摯に言葉を紡ぐ17歳は、瑞々しい感性で大人への階段を上っていく。

現地取材・文●内田暁

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