大坂が、ドローを見ないようにした背景には、今年2月の敗戦の苦い教訓がある。全豪オープンから間を空けずにカタール・オープンに参戦した大坂は、初戦でガルシアにリベンジを果たし、大きな手応えを得て準々決勝に勝ち上がった。
だがここで、カロリーナ・プリスコワ(チェコ)に競り負ける。この試合後の大坂は、涙を浮かべるほどに悔いを隠さなかった。それは自分のパフォーマンスに満足できなかったから。
そしてその原因が、「この試合に勝てば、イガと試合できると考えすぎてしまった」ことにあると、知るからだ。
ここでいう「イガ」とはもちろん、イガ・シフィオンテク。大坂が「妊娠中にも多くの試合を見ていた」選手であり、「すごく対戦したい」と切望した現世界1位である。
それから、3カ月後――。
大坂は予感していた通り、全仏オープン2回戦で、シフィオンテクと対戦する。全仏のセンターコートは、世界1位が過去3度制している、女王の城。
次の対戦相手を考えることもなく、勝利を期待しすぎることもなく、今いる瞬間に全力を尽くすことを目指す大坂にとって、これ以上望めない舞台と役者が整った。
現地取材・文●内田暁
【動画】大坂VSブロンゼッティの「全仏オープン」1回戦ハイライト
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そしてその原因が、「この試合に勝てば、イガと試合できると考えすぎてしまった」ことにあると、知るからだ。
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それから、3カ月後――。
大坂は予感していた通り、全仏オープン2回戦で、シフィオンテクと対戦する。全仏のセンターコートは、世界1位が過去3度制している、女王の城。
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