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国内テニス

プロへの扉であるM15大会を新設した岩渕聡氏、選手育成のための“3つの目的”を語る<SMASH>

内田暁

2024.07.25

2017~22年にわたりデビスカップの日本代表監督を務めた岩渕氏。世界を見聞してきた経験を生かし選手育成に努める。(C)Getty Images

2017~22年にわたりデビスカップの日本代表監督を務めた岩渕氏。世界を見聞してきた経験を生かし選手育成に努める。(C)Getty Images

 日本国内に大会が増え、参戦する選手層も経験値からプレースタイルまで幅広くなれば、切磋琢磨の質が高まる。ただその理想を実現する上で重要なのは、選手や指導者たちの意識だろう。

「大会が増えれば日本テニス界のレベルが上がるかといえば、そんなことはない」と岩渕氏は明言する。

「やはり、日本国内の大会につながりがあり、選手に帯同するコーチも含め、選手がツアー全体の流れを見られることが大切だと思います。今、3月のITF M15から始まり11月にはATPチャレンジャーが複数開催されるという、日本国内で良い流れができている。ですから、どこでポイントを稼げばチャレンジャーに行けそうか、そして世界に出ていけるかというところまで、イメージしやすいと思うんです」
 
 いかに日本やアジアで多くの国際大会を経験しても、ヨーロッパやアメリカに行けば、対戦選手の多様性ははるかに増し、プレースタイルは無限の広がりを見せる。その大海に、いつどのようなタイミングで飛び込むかを見定める目の重要性は、自身の現役キャリアを通じて岩渕氏が得た教訓の一つでもあるのだろう。

 そのようなツアーの回り方やポイントの取り方などのノウハウを、大会出場選手たちに直接レクチャーしているのが、伊達氏たちが運営する“JWT50”シリーズ。岩渕氏も将来的には、同カテゴリーの大会を連続開催し、若手選手へのセミナー等を併設するビジョンも思い描いているという。

 そのためにも必須なのが、「1回目を成功させる」こと。思い描く青写真は、その先に広がっている。

取材・文●内田暁

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