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海外テニス

世界ランク1位のシナーが全米オープンテニス優勝!イタリア人男子選手の同タイトル奪取はこれが初めて<SMASH>

中村光佑

2024.09.09

決勝を戦い終えて互いの健闘を称え合う王者シナー(左)と準優勝のフリッツ(右)。(C)Getty Images

決勝を戦い終えて互いの健闘を称え合う王者シナー(左)と準優勝のフリッツ(右)。(C)Getty Images

 第3セットは第1ゲームで0-40と3本のブレークポイントを握られるも全く動じずに凌ぎ切ったシナー。キープが続いた中で迎えた第6ゲームでは相手のミスから2本のブレークチャンスをつかむが、ここはいずれも取りこぼしてしまう。するとここから流れが一変。第7ゲームでは母国ファンの大声援を浴びながら徐々にギアを上げていくフリッツにストローク戦で押され、ダブルフォールトでサービスダウンを喫してリードを許す。

 それでもフリッツのサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲーム、ブレークを許してからも淡々とプレーを続けてきたシナーがラリー戦をことごとく制し、起死回生のブレークバックに成功。直後の第11ゲームをきっちりとキープしたシナーは最終第12ゲームで見事なディフェンスを見せ、一気にマッチポイントまで到達。最後はフリッツのフォアがネットに掛かり、2時間16分で試合を締めくくった。
 
 イタリア人男子選手の全米制覇は今大会が初。また同じシーズンにいずれもハードコートである全豪と全米を制すのはマッツ・ビランデル(スウェーデン/引退)、ロジャー・フェデラー(スイス/引退)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)に次いで史上4人目の快挙だ。表彰式でシナーは現在体調不良だという叔母への思いを寄せつつ、次のように喜びを語った。

「僕にとってこのタイトルはとても大きな意味があります。最近は楽ではありませんでしたが、その中で毎日僕をサポートしてくれるチームや身近な人々がいます。僕はテニスが大好きで、このような(重要な)ステージのためにたくさん練習していますが、コートの外では自分の人生があります。体調があまり良くない叔母にこのタイトルを捧げたいと思います。彼女とポジティブな瞬間を共有できて本当にうれしいです」

 一方、怒涛の快進撃で決勝にたどり着いたものの2003年のアンディ・ロディック(元1位)以来21年ぶりのアメリカ勢による全米優勝にあと一歩届かなかったフリッツは「素晴らしい2週間でした」と今大会を総括。そして「ヤニック(シナー)は素晴らしかったです。彼のチームも素晴らしいと思います。僕には強すぎました」と素直に勝者を称えた。

文●中村光佑

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