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海外テニス

大坂なおみ「もう、目標は楽しむことじゃない!」盤石の強さを見せつけたディフェンディングチャンピオンの内なる決意とは【全豪オープン】

内田暁

2020.01.21

「太陽が照っていると『私が輝く時よ!』という気になるの」と語る大坂は、メルボルンの空の下で存在感を放った。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

「太陽が照っていると『私が輝く時よ!』という気になるの」と語る大坂は、メルボルンの空の下で存在感を放った。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 試合開始時はまばらだった客席の、多くが埋まりアリーナの熱気が高まり出した第2セットに入ると、大坂のプレーも彼女らしさを増していく。

 第2ゲームで2本のブレークポイントを握られるが、ここからまずはセンターに189キロ、次はワイドに179キロの連続エースで、瞬時に危機を切り抜ける。さらに続くサービスはネット中央部に当たりフォールトとなるが、この一打が、ネットの留め具を破壊する珍事も発生。その修理のために試合は一時中断され、大坂のサービスがファーストからとなるラッキーも。この幸運を生かして再開後はサービスでウイナーを奪うと、最後も185キロのエースを叩き込んだ。

 第6ゲームでは、ミスを重ねてこの試合初のブレークを許すも、「3セットには行きたくない。2セットで終わらせなくては」と集中力を高めて、すぐさま次のゲームをブレーク。そしてこの場面でもまた、第1セット同様に彼女は加速を緩めない。第9ゲームを連続ウイナーでブレークし、開幕戦を盤石の勝利で飾った。
 
 この日のメルボルンは朝から雷雨の予報で、現に午後からはひょうも降る荒れた天気に。だが大坂の試合中は天気も持ち、時折日差しがコートを照らした。昨年、このコートで「太陽が照っていると『私が輝く時よ!』という気になるの」と笑っていた彼女にとっては、その意味でも、心地よい大会のスタートとなっただろう。

「ここは、恐らく一番好きな場所。ファンの雰囲気もすごく良いし」

 そのファンへの謝意を示すように、試合後の彼女はたっぷりと時間を掛けて、可能な限りサインや写真の求めに応じる。

 2020年の全豪オープンは、大坂の笑顔と共に幕を明けた。

取材・文●内田暁

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