今大会での錦織には、高まる自身への期待と、それをなだめるかのような葛藤が見られる。
シーズン開幕戦の香港オープン(24年12月30日~25年1月5日)で準優勝したことは、もちろん自信になっただろう。ただ決勝戦では、「急に、勝たないといけないみたいな雰囲気が自分の中で出てしまった」ため、プレーも硬くなってしまったことを悔やむ。
「そういうところも、反省ではある。ランキング的にも、まだまだ全然、チャレンジャーの気持ちでリラックスしてできる位置にいるので」
全豪オープン開幕を控え、錦織はそう言っていた。
同じような言葉を錦織は、初戦のモンテーロ戦後にも口にしている。モンテーロは予選上がりの105位。6年前のウインブルドンでの初にして唯一の対戦では、錦織が快勝している。
その記憶もあってか、錦織は今回での再戦では、「若干、下の選手とやるというところの硬さが出てしまったかもしれない」と振り返った。序盤、「相手のミスを期待した」がゆえにやや消極的になってしまったのも、気持の有り様が大きかっただろう。
その意味では次の2回戦で戦うのは、心身共にチャレンジャーとして向かっていける相手だ。
世界11位のトミー・ポール(アメリカ)は、一昨年の全豪オープンベスト4。過去の対戦では錦織がフルセットで競り勝ったが、それも2017年のことだ。
若い頃からアメリカでは、天才肌の攻撃的プレーヤーとして将来を嘱望されたポールだが、20代前半は伸び悩んだ。「プロになったばかりのころは、急に大金を手にしたため遊び歩いていた」とも明かしている。ただ数年前から公私ともに充実し、かつてないほどテニスに専心。戦績も急激に上昇した。
1回戦は互いにフルセットの辛勝。苦境を切り抜け、両者とも気持ちも高まったはず。
7年半前の初対戦から立場を変えての再戦は、両者のセンスが火花を散らす、華やかな一戦にもなりそうだ。
現地取材・文●内田暁
【画像】錦織圭の「全豪オープン2025」激闘フォトギャラリ―
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「そういうところも、反省ではある。ランキング的にも、まだまだ全然、チャレンジャーの気持ちでリラックスしてできる位置にいるので」
全豪オープン開幕を控え、錦織はそう言っていた。
同じような言葉を錦織は、初戦のモンテーロ戦後にも口にしている。モンテーロは予選上がりの105位。6年前のウインブルドンでの初にして唯一の対戦では、錦織が快勝している。
その記憶もあってか、錦織は今回での再戦では、「若干、下の選手とやるというところの硬さが出てしまったかもしれない」と振り返った。序盤、「相手のミスを期待した」がゆえにやや消極的になってしまったのも、気持の有り様が大きかっただろう。
その意味では次の2回戦で戦うのは、心身共にチャレンジャーとして向かっていける相手だ。
世界11位のトミー・ポール(アメリカ)は、一昨年の全豪オープンベスト4。過去の対戦では錦織がフルセットで競り勝ったが、それも2017年のことだ。
若い頃からアメリカでは、天才肌の攻撃的プレーヤーとして将来を嘱望されたポールだが、20代前半は伸び悩んだ。「プロになったばかりのころは、急に大金を手にしたため遊び歩いていた」とも明かしている。ただ数年前から公私ともに充実し、かつてないほどテニスに専心。戦績も急激に上昇した。
1回戦は互いにフルセットの辛勝。苦境を切り抜け、両者とも気持ちも高まったはず。
7年半前の初対戦から立場を変えての再戦は、両者のセンスが火花を散らす、華やかな一戦にもなりそうだ。
現地取材・文●内田暁
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