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海外テニス

モチベーションの低下を乗り越え…かつての天才少女アニシモワがWTA1000初優勝!23歳で手にした“成熟の証し”<SMASH>

内田暁

2025.02.18

試合後に「数年前より選手として、何より人として成長した」と語ったアニシモワ。写真:内田暁

試合後に「数年前より選手として、何より人として成長した」と語ったアニシモワ。写真:内田暁

 昨シーズンを10月に終え、やや長めのオフシーズンを取ったアニシモワだが、今季1月の全豪で「小さなケガ」を負ったという。そのため出場予定だった2大会を欠場し、2月9日開幕のカタール・オープンに備えた。

 その間に彼女は、「あまりコート上で練習ができなかった分、精神面のトレーニングを多くした」という。

「その成果が、今大会では本当に出たと思う。今週は冷静さを保ち、厳しい場面でも気持ちを強く保つことができた。メンタル面の強化と、ケガする前に積み重ねてきたフィジカルトレーニングの両方が噛み合い、今回の結果につながったと思う」

 その言葉通り、カタールでの彼女は心身両面の安定感を、連ねた6つの白星で証明した。準々決勝のマルタ・コスチュク(ウクライナ/同21位)戦以外は全てストレート勝利ではあるが、決して一方的な内容ではない。長いラリーを粘り強く戦い、ブレークされても離されることなく、ターニングポイントたりえる重要なゲームを確実に取る。連戦にも疲れを見せず、自身のフィジカルと精神を、自らの制御下に起き手にした優勝という印象だった。
 
 かつて情熱を失いかけたテニスに、「今、どのような魅力を見い出しているか」と尋ねると、彼女は「寝不足の頭に、この質問はなかなか難しいですね」と苦笑いしつつも、明瞭に語り始めた。

「テニスを通じて、自分について多くを学んだと思います。もちろん世界中を見渡せば、テニスをすることは、そんなに大変なことではないでしょう。結局のところは、“スポーツ”ですから。それでも、重要な場面で感じる緊張やストレスを克服し、どうすれば勝てるかを考えるのが好きだし、それがこのスポーツを通じて学べることだと思います。個人競技なので、自分以外に頼る者がないというのも、この競技の特性であり、学ぶことが多い理由だと思います」

 さらに彼女は、表情を一層緩めて、こうも続ける。

「それに、世界中の素敵な町を旅し、多くの経験や思い出を作ることができる自分たちは、本当に恵まれていると最近は思います。人生で、こんなに貴重な体験がたくさんできるのは特別なこと。テニスから得た物は、本当に多いですね」

 WTA1000の優勝は、現時点で彼女が手にしたキャリア最高のタイトル。「数年前より選手として、何より人として成長した」と語る彼女は、大会後に自己最高の世界18位に達した。

現地取材・文●内田暁

【動画】アニシモワVSオスタペンコのカタールOP決勝ハイライト

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