専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「良い選手は変化を恐れない」殿堂入りしたレジェンドコーチの2人が、全豪テニスファイナリストにもたらした変化と進化

内田暁

2020.02.01

レジェンドコーチに師事するムグルサ(左)とジョコビッチ(右)はそれぞれ全豪オープンで決勝に進出。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

レジェンドコーチに師事するムグルサ(左)とジョコビッチ(右)はそれぞれ全豪オープンで決勝に進出。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 さらに奇しくも……と言うべきか。彼女と並んで殿堂入りしたもう一人の人物もまた、今大会でコーチとして手腕を振っている。それが、クロアチアのゴラン・イバニセビッチ。2001年ウインブルドン優勝者は、昨年の夏からノバク・ジョコビッチの“レジェンドコーチ”に就任していた。

 キャリア・グランドスラムに、マスターズ全9大会制覇。現存するタイトルと栄冠をほぼ全て手にしたように見えるジョコビッチではあるが、イバニセビッチは、「まだ彼には、いくつか取るべきグランドスラムがある」と見る。

「(ラファエル)ナダルも含めて、ノバクにはグランドスラム20勝の記録を破って欲しい。僕がここにいる理由はそこであり、ノバクが僕を選んだ理由も同じだ。この競技史上、最高の選手を生み出すことを目指しているんだ」。

 その明確な目的地に向かう上で、ジョコビッチが真っ先に望んだのが、サービスの向上だという。
「良い選手というのは、学ぶことを、変化を恐れない。ナダルはサービスの向上に取り組み、6年かかってようやく体得した。ロジャーはラケットを変えた。

 ノバクはサービスを……特にセカンドサービスを改善したいと言った。今の彼はセカンドでも常時180~190キロを出せている。技術的に大きく変えたわけではないが、細かい点をいくつか話し合い、全てが今かみ合い始めた」。
 
 世界の頂点にいながらなお向上を望むジョコビッチが、イバニセビッチの言葉に真摯に耳を傾け、実際に成果を出す。その背景にあるのは、マルチネスと同じく、選手としての実績に、指導者としての慧眼、そして、コミュニケーション能力にもある。

「我々は同じメンタリティを持っているし、同じ言葉を語る。かつては一つの国だった、バルカン・メンタリティだよ。彼が言葉を発する前に、僕は彼の考えが恐らく90%は分かっている。

 僕はポジティブな性格で、そして回り道せず真っすぐに伝えるべきことを言う。時にはそれが奏功し、時にはうまくいかないこともあるが、これが僕なんだ。テニスに関しては、嘘をつかない」。

 今大会の男女ファイナリストの傍らに立つレジェンドコーチには、いくつかの共通項がある。
 選手と同じ言語を語り、文化等を共有すること。
 選手時代に培ってきた経験を生かした分析力と、それらを伝えるコミュニケーション力を備えること。

 そして、テニスへの真摯さと同時にユーモアも持ち合わせ、共にゴールへと向かっていくポジティブさ。それらが結実したからこその、今大会の選手たちの活躍であり、2人揃っての殿堂入りの栄光だ。

文●内田暁

【PHOTO随時更新】全豪OPで躍動するフェデラー、ジョコビッチ、ハレプらトップ選手たちの美しいフォーム集!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号