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海外テニス

全豪で7人が本戦進出!東京五輪に航路を定めた日本人選手たちの熱き戦い【全豪オープンテニス】

内田暁

2020.01.31

オリンピックイヤーとなる今年の全豪ではシングルス本戦に7名の日本人選手が出場した。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

オリンピックイヤーとなる今年の全豪ではシングルス本戦に7名の日本人選手が出場した。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 シングルス本戦に、男子4選手、女子3選手が出場した全豪オープンの日本勢。男子は西岡良仁、内山靖崇、杉田祐一の3名がランキングで入り、そこに、昨年末のアジアワイルドカード予選を勝ち抜いた伊藤竜馬が加わる。女子も、大坂なおみ、土居美咲がランキングで入り、2番アウトの日比野菜緒が予選突破で後に続いた。

 そしてこれら男女計7人のうち、5選手が2回戦以上に進出。相乗効果を感じさせるとともに、もう一つ、多くの選手がモチベーションや明確な目標ラインとして口にしたのが、7か月後に迫った東京オリンピックの存在だ。

 かつて、オリンピック効果をもっとも顕著に体現した選手が、伊藤だと言えるだろう。ロンドン・オリンピックを翌年に控えた2011年末、伊藤は「来年の目標は、オリンピック出場です」と公言した。当時の彼のランキングは120位前後で、オリンピックのカットオフが決まるまでに、残された時間は7か月。相当に厳しい目標設定だと思われたが、翌年の伊藤はATPチャレンジャーにツアーを上手く織り交ぜながら、半年間でランキングを50位以上駆け上がる。

 なお同時期には添田豪も、年始の120位から、半年後には54位に到達してオリンピック出場権を獲得。この2人が先駆者として、他の選手たちに与えた影響は大きいだろう。
 
 伊藤と添田が走破した道に続くように、2016年のリオ・オリンピックに向け大躍進を見せたのが、土居と日比野の2人である。

 高校時代、オーストラリアに留学していた日比野は、スポーツの国際試合となれば家をあげて応援するホストファミリーの影響もあり、国を代表することに人一倍の憧れをつのらせていた。そして2015年9月、タシケント・オープンを制しランキングを76位までジャンプアップさせる。その後、肩の痛みでコートに立てない時期がありながらも、オリンピック前に69位までランキングをあげ、出場圏内へと飛び込んだ。

 後輩の活躍に刺激を受けたかのように、日比野の優勝のわずか2週間後にツアータイトルを手にしたのが、土居である。以降も好調を維持した彼女は、日本のエースとしてリオ五輪に出場。所属先が、柔道や競泳で多くのオリンピアンを生むミキハウスということもあり、土居にとってもオリンピックは、大きな目標だったという。
 
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