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国内テニス

テニス選手日比万葉が『くまやん』を開設。最終的な目的は「孤児や、障がい者たちのための場所」の設立

内田暁

2020.05.17

15年全米オープンでは本戦出場を果たした。写真:THE DIGEST写真部

15年全米オープンでは本戦出場を果たした。写真:THE DIGEST写真部

 テニスキャリア中に、次への準備はしたいと思っていた日比の足取りを、一連のコロナ禍が早めたのは間違いない。現時点では8月からツアー再開の予定ではあるが、「テニスのツアーは変わっていく」と日比は見る。

「これまでのように世界中を自由に遠征するやり方では再開は難しいだろうし、選手の経済的な価値も下がるかもしれない。そうなると、今からセカンドキャリアの準備を始めた方が良いだろうと思いました」。そう現実に目を向ける日比だが、かといって「これからどうしようと悲観的に思ったことは、一度もないです」と表情に色を灯す。

 カリフォルニア州でのロックダウンも徐々に緩和され、先日は約2カ月半ぶりに、弟とコートでボールを打った。その時にも、肩の痛みが取れたこともあり「前より調子はむしろ良い」と感じたという。
 
「この新型コロナによって、世界は変わる……“新しい普通”が生まれる可能性も高い。その時に、どうアダプト(適応)できるかで差が出ると思います。これまでの生活に戻れれば良いけれど、戻れないことも私は想定して動いています」

 未知なるものを不安視し拒絶するのではなく、しなやかに適応することが求められる時代。テニスをツールとし切り開く新たな道を、彼女は恐れず進んでいく。

文●内田暁

日比万葉/Hibi Mayo(グラムスリー所属)
1996年4月3日生まれ、24歳。165cm、右利き、片手バックハンド。WTAランキング167(2020年3月16日付)。女子選手には珍しく片手バックハンドで、パワーに頼らないクレバーなテニスをする。2015年全米オープンで予選を突破して本戦出場。憧れのテニス選手はマッケンローとサンプラス。

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