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国内テニス

日比野菜緒がツアー単複2冠!土居美咲の背中を追いかけ、共につかんだ再上昇への兆し

内田暁

2019.09.16

決勝で戦った日比野と土居は、続くダブルスではパートナーとして戦った。写真:安藤晃

決勝で戦った日比野と土居は、続くダブルスではパートナーとして戦った。写真:安藤晃

「菜緒ちゃん、おめでとう。私もなんとか対応しようとしたけれど、菜緒ちゃんのプレーが素晴らしかった」
 試合後のセレモニーで、土居が涙を滲ませ、勝者を称える。

 続いてマイクを手にした日比野は、「あえて美咲ちゃんと呼ばせてください」と前置きすると、「つらい時期の美咲ちゃんも近くで見てきた。これからも、背中を追わせて頂きたいと思います」と、土居に敬意と思慕の情を向けた。

 日本勢決勝の末に、日比野が4年ぶりに手にしたツアータイトル――。それは2人が踏破してきた、切磋琢磨の日々の結晶でもあった。
 そのシングルス決勝戦のセレモニーから、約30分後。
 2人はネットの同じサイドに、パートナーとして立っていた。ダブルスの決勝戦。それが、今大会の真の掉尾を飾る一戦だ。

「セレモニーが終わってから、慌ただしく着替えて軽く何か食べて、気がついたらコートに立っている感じだった」と苦笑いする土居と日比野は、まだどこか浮遊感の漂うなかで、第1セットは3-6で落とす。

 だが第2セットからは、Iフォーメーションや2バック、そしてロブからのスイッチなど様々な連携や戦術を用いて、徐々に流れを引き寄せた。2人の武器であるストロークの強みを生かし、第2セットを奪い返す。迎えた10ポイントマッチタイブレークは、勢いに勝る日本ペアが序盤に6ポイント連取で大量リード。

 最後は土居のサービスを相手がリターンネット。2人は拳を空に上げると、ネットを挟まず抱き合った。
 
取材/文●内田暁
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