【花キューピットオープン】
シングルス準決勝/9月14日(土)
日比野菜緒(JPN)4-6 6-0 6-3 Ⅿ・ブザルネスク(ROU)
土居美咲(JPN)6-4 6-3 Ⅴ・クデルメトワ(RUR)
日比野菜緒と土居美咲が、広島開催の花キューピットオープンで、揃って決勝に進出。WTAツアー大会での日本人頂上決戦は、1997年のダナモン・オープン(ジャカルタ大会)で、沢松奈生子と吉田友佳が対戦して以来のことだ。
日頃から同じ大会に出る機会が多く、コート内外でも時間を共有することの多い土居と日比野が、22年ぶりとなる日本人頂上決戦を日本で実現させたその原点も、似たところにあるかもしれない。
「どんな時にも、ポジティブな姿勢を維持する。気持ちを、すぐに切り替える」
日比野が、今大会の好調のカギをそう明かせば、土居は「泥臭さくても勝つという気持ちの面を、去年たくさん学んだ。それが生きていると思う」と述懐する。
両者ともに、苦境を超えて手にした精神的な強さ。二人が華やかな舞台へと至ったその出発点は、下部大会での戦いにあった。 「ポジティブな態度を維持して戦えば、私はそうそう負けない!」
日比野がそう思えた一つのきっかけは、今年1月、全豪オープン後に出場したITF6万ドルの大会だった。その時の一つの試合で、彼女は自分の精神面が、いかにプレーや試合の行方を左右するかを実感する。その手がかりを確固たる実績へと確立するため、4月にはメンタルコーチに師事しはじめた。
今大会の準決勝の対ブザルネスク戦も、精神面の成長が何より顕著にプレーに投影された試合だったろう。
第1セットは緊張もあって思うようなプレーができず、「フラストレーションが溜まって、どうしようかと思っていた」と、後に苦笑いとともに日比野は明かした。それでも彼女は、第1セットは何が悪かったかを振り返り、「ミスをした時に態度がネガティブだった。ミスにとらわれず、次のことを考えていくようにしよう」と自分に言い聞かせる。
武器である「スピンを効かせた高い軌道のボール」も無理に打とうとするのではなく、重心を落として打てば、自然と良いボールが行くことにも気がついた。だからスコアや流れにも心を砕かず、「とにかく、重心を落として走る」というこの一点に集中した時、結果として、第2セットは相手に1ゲームも与えず走り切る。
第3セットは、最初のゲームで3連続ブレークポイントを逃すなど嫌な流れにもなりかけたが、やはりこの時にも、彼女は目の前のポイントと自分のやるべきことのみに徹した。
「これで決勝だ!」
その実感が初めて全身を駆け巡ったのは、マッチポイントで相手のボールがラインを割り、勝利が確定した瞬間だった。
シングルス準決勝/9月14日(土)
日比野菜緒(JPN)4-6 6-0 6-3 Ⅿ・ブザルネスク(ROU)
土居美咲(JPN)6-4 6-3 Ⅴ・クデルメトワ(RUR)
日比野菜緒と土居美咲が、広島開催の花キューピットオープンで、揃って決勝に進出。WTAツアー大会での日本人頂上決戦は、1997年のダナモン・オープン(ジャカルタ大会)で、沢松奈生子と吉田友佳が対戦して以来のことだ。
日頃から同じ大会に出る機会が多く、コート内外でも時間を共有することの多い土居と日比野が、22年ぶりとなる日本人頂上決戦を日本で実現させたその原点も、似たところにあるかもしれない。
「どんな時にも、ポジティブな姿勢を維持する。気持ちを、すぐに切り替える」
日比野が、今大会の好調のカギをそう明かせば、土居は「泥臭さくても勝つという気持ちの面を、去年たくさん学んだ。それが生きていると思う」と述懐する。
両者ともに、苦境を超えて手にした精神的な強さ。二人が華やかな舞台へと至ったその出発点は、下部大会での戦いにあった。 「ポジティブな態度を維持して戦えば、私はそうそう負けない!」
日比野がそう思えた一つのきっかけは、今年1月、全豪オープン後に出場したITF6万ドルの大会だった。その時の一つの試合で、彼女は自分の精神面が、いかにプレーや試合の行方を左右するかを実感する。その手がかりを確固たる実績へと確立するため、4月にはメンタルコーチに師事しはじめた。
今大会の準決勝の対ブザルネスク戦も、精神面の成長が何より顕著にプレーに投影された試合だったろう。
第1セットは緊張もあって思うようなプレーができず、「フラストレーションが溜まって、どうしようかと思っていた」と、後に苦笑いとともに日比野は明かした。それでも彼女は、第1セットは何が悪かったかを振り返り、「ミスをした時に態度がネガティブだった。ミスにとらわれず、次のことを考えていくようにしよう」と自分に言い聞かせる。
武器である「スピンを効かせた高い軌道のボール」も無理に打とうとするのではなく、重心を落として打てば、自然と良いボールが行くことにも気がついた。だからスコアや流れにも心を砕かず、「とにかく、重心を落として走る」というこの一点に集中した時、結果として、第2セットは相手に1ゲームも与えず走り切る。
第3セットは、最初のゲームで3連続ブレークポイントを逃すなど嫌な流れにもなりかけたが、やはりこの時にも、彼女は目の前のポイントと自分のやるべきことのみに徹した。
「これで決勝だ!」
その実感が初めて全身を駆け巡ったのは、マッチポイントで相手のボールがラインを割り、勝利が確定した瞬間だった。