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海外テニス

【レジェンドの素顔7】女子テニス世界1位、クリス・エバートの色とりどりな恋愛模様|後編<SMASH>

立原修造

2021.05.01

クリスは1979年4月にジョンと結婚した。写真:THE DIGEST写真部

クリスは1979年4月にジョンと結婚した。写真:THE DIGEST写真部

 長くツアー生活を続けてきたジョンは、そろそろ落ちつきたいと考えていた。クリスにしても、ジョンがトップ・プレーヤーでなかったので幾分気が楽になっていた。少なくとも結婚に踏み切りやすい状況にはあった。

 そして、1979年4月に結婚。

 この年、エバート家では3度も結婚式があったから大変だった。兄のドルーが3月、妹のジーンも11月に結婚している。エバート家にとって1979年という年は絶対に忘れられないだろう。

 結婚してから、クリスとジョンは、大人のカップルとして仲の良さが評判になるくらいだった。テニスプレーヤー同士の結婚としては“理想的な姿”とまで言われた。

 それでも、夫婦の問には他人が窺い知れない難問が生じてくる。

 84年1月に二人は期限つきの別居を宣言した。ジョンのプレーヤーとしての不振がひずみを起こしたと一般に見られた。
 
「再び、二人仲良くやっていける可能性は十分あります。でも、しばらく冷却期間は必要ですね」とクリスは、夫婦の危機を否定しなかった。別居の間、二人はそれぞれ別な相手とのロマンスをウワサされて、オフ・コートを大いに賑わした。

 しかし、結局、二人はクリスが言ったように元のサヤに戻った。この別居解消は、二人の絆をさらに深めるかのように思われた。事実、クリスは、「今回の別居解消に関しては、ジョンがうまくリードしてくれました。あらためてジョンのすばらしさを感じています」と語っているほどだ。

 しかし、再びロイド夫妻の危機が色々と取り沙汰されはじめ、1984年に離婚した。クリスはその後に2度結婚し、離婚している。

 クリスは常に幸福と安らぎを求め続けるタイプの人間らしい。多くの人は自分の限界を見極めて、そこに安住しようとする。しかしクリスはラケットを初めて持った6歳のときから、どんな場合でも“妥協”という言葉とは無縁なのである。

文●立原修造
※スマッシュ1987年2月号から抜粋・再編集

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