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海外テニス

女王のままツアーを去ったバーティー。テニス人生で一番重要だったのは「最初の引退から復帰を決めた時」【シリーズ/ターニングポイント】

内田暁

2022.03.25

今年の初めには地元の全豪オープンでグランドスラム3勝目を挙げ、バーティー時代の到来を予感させたが、わずか2か月後の引退表明となった。(C)Getty Images

今年の初めには地元の全豪オープンでグランドスラム3勝目を挙げ、バーティー時代の到来を予感させたが、わずか2か月後の引退表明となった。(C)Getty Images

 彼女が、復帰の契機として言及しているケイシー・デラキュアは、バーティーのダブルスパートナーにして親友。その“始まりの人”の手による幕引きを望むかのように、バーティーは自らのソーシャルメディアで公開した引退表明動画のインタビュアーに、デラキュアを起用した。

 デラキュアとの会話の中でバーティーは、「きっと多くの人は、私の決断が理解できないでしょう。でも私は、わかっている。アッシュ・バーティーという1人の人間が、これから追う新たな夢もわかっている」と言った。

 その夢についても、彼女は最後の会見で明かしている。
 
「このスポーツに貢献したいという夢は、これから先も変わりません。若い世代……女の子、男の子たちに、コミュニティを通じてテニスを伝えること。子どもたちがテニスをやり、笑顔になるのを見るのが、楽しみで仕方ないんです。子どもの笑顔を見ると、自分がテニスを始めた時を思い出すから」

 最初の引退をした時にも、彼女はテニスへの愛情は失わず、子どもたちにテニスの魅力を伝えていた。初めてローカル大会で優勝した時の無邪気な笑顔は、全豪オープンを制した時もまるで変わっていなかった。

 ターニングポイントを経て復帰を選んだ第二のキャリアは、誰もが羨むような栄光に彩られている。

 それでも、初めてラケットを手にした日から変わらぬ愛情と笑顔のままで、彼女は、ツアーに別れを告げた。

取材・文●内田暁

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