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国内テニス

【SBCドリームテニス】杉田祐一と西岡良仁、互いに交錯する足跡の先に見えるもの<SMASH>

内田暁

2022.12.11

海外を拠点に成長する選手が多いなか、国内で腕を磨いて世界で結果を出してきた杉田のさらなる躍進が期待される。写真:SBC DREAM TENNIS/長浜功明

海外を拠点に成長する選手が多いなか、国内で腕を磨いて世界で結果を出してきた杉田のさらなる躍進が期待される。写真:SBC DREAM TENNIS/長浜功明

「最近は、杉田さんもケガで試合に出られずランキングが落ちていたり、試合勘が無くなっているところはあると思います。でも、杉田さんが世界36位まで行った実績は変わらない」

 その言葉に敬意を込める西岡は、誰に促されるまでもなく、こう続けた。

「僕や(錦織)圭くん、(ダニエル)太郎くんは海外でがんばり上がってきたのに対し、杉田さんは日本でがんばって上がった訳じゃないですか。もちろん海外のコーチをつけたりしましたが、ベースは日本で育ち、日本で強くなった。そういう選手が現にここまで実績を残していることを、日本のテニス関係者はちゃんと考えるべきだと思っていて。僕は自分が海外で育ったので、ジュニアの子には海外に行けと言っているし、それが最短ルートだとは思っています。でも、そうでないルートを辿って結果を出した人がいることを認識するべきだし、その意味でも凄い選手だと思っています」

 そう定義した上で、西岡はさらに力説する。
 
「杉田さんがあそこまで行った経緯などを、日本の選手たちも知るべきだと思います。島袋(将)や羽沢(慎治)ら、日本でやってきて強くなろうという選手たちが知るべき情報を、持っている。日本のテニス界において大切な人だと思うし、尊敬しています」

 西岡にとって杉田は、道なき道を一人で切り拓き、自分が今立つ地点へと辿り着いた偉大なる先駆者だ。

 その事実は、たとえランキングが入れ替わっても、変わりはしない。

 杉田が刻んだ轍の意義を誰より知るのが、互いの足跡を幾度も交錯してきた、西岡なのだろう。そして、その価値を杉田自身が認めた時、彼の前にも、新たな道が拓けるはずだ。

取材・文●内田暁

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