「ラファは、とても印象に残る選手ですね。最初の頃はあまり英語が話せなかったけれど、どんどん上達して。でも、ケガなどで長く故郷のマヨルカに戻ると、少し後退しちゃったりするんですよ。
面白くて魅力的という意味では、マラト・サフィンは素晴らしかった。あとは、ラトビアのエルネスツ・グルビス。彼はとても頭がよく、鋭かったですね。最近では、アリーナ・サバレンカも魅力的。彼女は時に失言して、自分の発言に自分で笑っちゃったりしています」
思い出深い選手を列挙するリンダさんは、日本の選手と言えば……と、「キミコ・ダテ」の名を口にした。
「キミコが復帰した時は、多くの記者が集まりました。彼女は喋るのが好きで、どの質問にも長く答えていた。特に忘れられないのが、英国のベテラン記者が彼女に、『引退していた間、何をしていのか?』と質問した時。キミコは『最初の年は、こうだった。2年目はこんなことをして……』と、10年くらいを振り返りはじめたの。それをタイプし続ける私は大変! だからその英国記者には、『あなたは金輪際、キミコへの質問は禁止!』って冗談で叱ったのよね」
それら数多の選手の言葉を観察する中で、リンダさんは「1つの傾向を感じている」とも言った。
「やはりどの選手も、ベテランになると人間的に成熟し、周囲の人たちの役割や仕事を知り、メディアの重要性も理解する。だから会見でも、興味深いコメントを残すようになりますね」
それは、会見室の一角で、定点観測のように多くの選手の“言葉”を見てきた彼女だからこそ、知りえる真理だろう。
会見を重ねるたび、選手たちは自らが発する言葉の重みを知り、そこに関わる人々の重要性も理解していく。
もちろん、自分の言葉を形として残してくれる、よく知るその人の大切さも――。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】ナダルはじめ全仏オープン2024で奮闘する男子選手たちをピックアップ
【PHOTO】サバレンカはじめ全仏オープン2024で奮闘する女子選手たちをピックアップ
【関連記事】グランドスラムの舞台に帰ってきた錦織圭、右肩負傷で途中棄権も2試合の中で見えた“光”【全仏オープン】<SMASH>
面白くて魅力的という意味では、マラト・サフィンは素晴らしかった。あとは、ラトビアのエルネスツ・グルビス。彼はとても頭がよく、鋭かったですね。最近では、アリーナ・サバレンカも魅力的。彼女は時に失言して、自分の発言に自分で笑っちゃったりしています」
思い出深い選手を列挙するリンダさんは、日本の選手と言えば……と、「キミコ・ダテ」の名を口にした。
「キミコが復帰した時は、多くの記者が集まりました。彼女は喋るのが好きで、どの質問にも長く答えていた。特に忘れられないのが、英国のベテラン記者が彼女に、『引退していた間、何をしていのか?』と質問した時。キミコは『最初の年は、こうだった。2年目はこんなことをして……』と、10年くらいを振り返りはじめたの。それをタイプし続ける私は大変! だからその英国記者には、『あなたは金輪際、キミコへの質問は禁止!』って冗談で叱ったのよね」
それら数多の選手の言葉を観察する中で、リンダさんは「1つの傾向を感じている」とも言った。
「やはりどの選手も、ベテランになると人間的に成熟し、周囲の人たちの役割や仕事を知り、メディアの重要性も理解する。だから会見でも、興味深いコメントを残すようになりますね」
それは、会見室の一角で、定点観測のように多くの選手の“言葉”を見てきた彼女だからこそ、知りえる真理だろう。
会見を重ねるたび、選手たちは自らが発する言葉の重みを知り、そこに関わる人々の重要性も理解していく。
もちろん、自分の言葉を形として残してくれる、よく知るその人の大切さも――。
現地取材・文●内田暁
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