専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

女子テニス界きっての“ハッピーガール”を育て上げた、「アキコ」と呼ばれる母親の存在と教え<SMASH>

内田暁

2024.09.02

先のパリ五輪では混合と女子ダブルス(写真)に出場するなど、32歳となった現在も英国テニス界をけん引するワトソン(左)。(C)Getty Images

先のパリ五輪では混合と女子ダブルス(写真)に出場するなど、32歳となった現在も英国テニス界をけん引するワトソン(左)。(C)Getty Images

「長いシーズンの、最後の大会が大阪だった。全く自分に期待しておらず、『とにかくベストを尽くそう』と自分に言い聞かせた」

 その無欲さが、好結果を呼び込んだだろうか。彼女はシングルスのみならず、伊達公子と組んだダブルスでも決勝進出。シングルス決勝で3時間超えの死闘を制したワトソンは、“24年ぶりにツアー優勝した英国人女性選手”となった。

 彼女が開いた扉にはその後、オーストラリアからの移民のヨハンナ・コンタや、中国人の母とルーマニア人の父を持つエマ・ラドゥカヌらが続き、新たな英国テニス史を書き加えていった。

「色んなルーツや背景を持つ人が活躍し、テニスに一層の多様性が見られるのはすごく良いこと」と優しく微笑むワトソンは、32歳を迎えた今、テニスができる幸運に一層深く感謝しているという。
 
「今年の目標はパリオリンピックに出ることだったので、それが叶ったのはうれしかった。今は、全ての瞬間を大切にし、楽しもうと思っている。だってこの時間は、永遠に続くわけではないのだから。

 この人生を送れていることをうれしく思うし、機会を与えてくれた両親には本当に感謝している。そして、テニスがわたしにもたらしてくれた、全てのことにも。本当に、自分は恵まれていると感じている」

 幾度も幾度も繰り返し、自身を「幸運」と表するツアーきっての、“ハッピーガール”。そのルーツをたどった時、小さいながらも温かく確かな、日本との縁がある。

現地取材・文●内田暁

【画像】パリオリンピックで躍動した女子選手の厳選ショットを一挙公開!

【関連記事】「落ち込んでいるし悲しい」21年全米女王ラドゥカヌが初戦で敗れ涙の会見。「もう一度計画を練り直す」<SMASH>

【関連記事】「たくさんの観客の応援がすごくうれしかった」大坂なおみが全米OPと今シーズンの歩みを振り返る<SMASH>

 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号