男子テニス元世界ランキング3位のステファノス・チチパス(ギリシャ/27歳/現27位)が母国メディア『sdna.gr』のインタビューに応じ、長らく抱えている背中のケガによる苦悩を赤裸々に明かした。
これまでにツアー12勝を挙げ、2019年には年間成績で上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」を制すなど若くから活躍してきたチチパスだが、ここ最近は低空飛行が続いている。今季も2月の「ドバイ選手権」(UAE)でATP500初優勝を飾って以降は振るわず、最高峰の四大大会でも1月の「全豪オープン」と7月の「ウインブルドン」は共に初戦敗退、6月の「全仏オープン」と先日の「全米オープン」はいずれも2回戦敗退と結果を残せなかった。
四大大会で2度の準優勝を経験しているギリシャテニス界の至宝を苦しめているのが深刻な背中の故障だ。ウインブルドン後の記者会見でチチパスは23年の「ATPファイナルズ」を同箇所のケガで棄権して以来「身体が壊れやすくなってしまった」と告白し、近い将来での現役引退という最悪のシナリオも頭をよぎり始めているとまで明かしていた。
今回のインタビューでもチチパスの苦しい現状が浮き彫りになった。初めに「2~3週間前よりは身体の状態は良くなっている」と前置きしつつ、2回戦でダニエル・アルトマイヤー(ドイツ/現50位)にフルセットで敗れた先の全米オープンをこう振り返った。
「全米オープンは本当に厳しかった。というのも、1回戦すら最後まで戦い抜けるかどうか、疑念を抱きながらコートに立っていた感じだったんだ。自分ではもっと回復していると思っていたのに、背中の痛みは残っていて、ネガティブな思考に陥ってしまっていた。事実、アルトマイヤー戦では2度のメディカルタイムアウトが必要だったし、ここ数週間で世間には知られていない多くの嫌なことが自分の身に起きていた」
すでに背中の痛みは慢性化しているそうで、未だ決定的な解決策を見出せていないと27歳は率直に苦悩を吐露する。再起へのモチベーションも失いかけている様子だ。
「ケガと向き合いながら、治す方法を探している。今は多くの専門家に相談し、あらゆることを試して、自分の身に何が起きているのか理解しようとしているところだ。全米オープン前の練習では調子が良かったのに、大会が始まった途端に再び問題が発生した。強いストレスと不安を感じるし、この数カ月はほとんど試合で勝てていないこともあって、テニスへの自信も失っている」
出口の見えない戦いが続くチチパス。世界のトップをひた走ってきた彼の苦しむ姿には胸が締め付けられるが、とにかく今は見守るしかない。
文●中村光佑
【画像】大きく踏み出しながらもバランスを崩さないチチパスの片手バックの連続写真
【関連記事】衝突続きの父親と再タッグを組むチチパス。失敗を繰り返さないカギは「自分が主導権を握ること」<SMASH>
【関連記事】ウインブルドン初戦で途中棄権のチチパスが苦悩を吐露「このままなら競技を続ける意味はない」と引退の可能性も示唆<SMASH>
これまでにツアー12勝を挙げ、2019年には年間成績で上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」を制すなど若くから活躍してきたチチパスだが、ここ最近は低空飛行が続いている。今季も2月の「ドバイ選手権」(UAE)でATP500初優勝を飾って以降は振るわず、最高峰の四大大会でも1月の「全豪オープン」と7月の「ウインブルドン」は共に初戦敗退、6月の「全仏オープン」と先日の「全米オープン」はいずれも2回戦敗退と結果を残せなかった。
四大大会で2度の準優勝を経験しているギリシャテニス界の至宝を苦しめているのが深刻な背中の故障だ。ウインブルドン後の記者会見でチチパスは23年の「ATPファイナルズ」を同箇所のケガで棄権して以来「身体が壊れやすくなってしまった」と告白し、近い将来での現役引退という最悪のシナリオも頭をよぎり始めているとまで明かしていた。
今回のインタビューでもチチパスの苦しい現状が浮き彫りになった。初めに「2~3週間前よりは身体の状態は良くなっている」と前置きしつつ、2回戦でダニエル・アルトマイヤー(ドイツ/現50位)にフルセットで敗れた先の全米オープンをこう振り返った。
「全米オープンは本当に厳しかった。というのも、1回戦すら最後まで戦い抜けるかどうか、疑念を抱きながらコートに立っていた感じだったんだ。自分ではもっと回復していると思っていたのに、背中の痛みは残っていて、ネガティブな思考に陥ってしまっていた。事実、アルトマイヤー戦では2度のメディカルタイムアウトが必要だったし、ここ数週間で世間には知られていない多くの嫌なことが自分の身に起きていた」
すでに背中の痛みは慢性化しているそうで、未だ決定的な解決策を見出せていないと27歳は率直に苦悩を吐露する。再起へのモチベーションも失いかけている様子だ。
「ケガと向き合いながら、治す方法を探している。今は多くの専門家に相談し、あらゆることを試して、自分の身に何が起きているのか理解しようとしているところだ。全米オープン前の練習では調子が良かったのに、大会が始まった途端に再び問題が発生した。強いストレスと不安を感じるし、この数カ月はほとんど試合で勝てていないこともあって、テニスへの自信も失っている」
出口の見えない戦いが続くチチパス。世界のトップをひた走ってきた彼の苦しむ姿には胸が締め付けられるが、とにかく今は見守るしかない。
文●中村光佑
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