群雄割拠の女子テニス界に現れた期待の19歳ビクトリア・エムボコ(カナダ/現世界ランキング21位)が、10月27日~11月2日に開催されたツアー大会「プルデンシャル香港テニス・オープン」(中国・香港/ハードコート/WTA250)で大会初優勝を飾った。
今季のエムボコは下部のITFツアーで開幕から22連勝を飾って4タイトルを獲得すると、3月の「マイアミ・オープン」(ハード/WTA1000)1回戦でカミラ・オソリオ(コロンビア/現80位)からツアー初白星をゲット。最高峰の四大大会でも6月の全仏オープンで予選を突破して3回戦へ、7月のウインブルドンでも予選から2回戦へ進出し、開幕時に300位台だったランキングを一気に100位圏内まで押し上げた。
そしてワイルドカード(主催者推薦)で出場した8月の「ナショナルバンク・オープン」(ハード/WTA1000)では、ソフィア・ケニン(アメリカ/現28位)、ココ・ガウフ(アメリカ/現3位)、エレーナ・ルバキナ(カザフスタン/現6位)、大坂なおみ(日本/現16位)の4人の四大大会優勝経験者を破り、ツアー初優勝を四大大会に次ぐグレードのWTA1000で達成。まだティーンエイジャーとは思えない圧巻のパフォーマンスで多大なインパクトを与えた。
しかしその後は、9月の全米オープンから4大会連続で初戦敗退と苦戦。それでも10月の「ジャパン・オープン」(ハード/WTA250)ではベスト8入りし、復調の兆しを見せていた。
迎えた今大会はアンナ・カリンスカヤ(ロシア/元11位/大会時35位)の途中棄権で勝利した準々決勝以外は全てフルセットで制して決勝へ進出。そして最後はダブルスでツアー7勝を誇る27歳のクリスティーナ・ブクサ(スペイン/同68位)に7-5、6-7(9)、6-2で競り勝ち、価値あるツアー2勝目を手にした。
今季最長のツアー決勝となった2時間49分の死闘を制したエムボコ。第2セットのタイブレークでチャンピオンシップポイントを逃すなど嫌な流れになりかけたが、19歳らしからぬ強い精神力で勝ち切った。オンコートインタビューでは対戦相手へのリスペクトを込めつつ、試合内容をこう振り返った。
「今日はクリスティーナが本当にハイレベルなテニスをしていたと思う。彼女は劣勢になっても驚くようなショットでカムバックしてきた。私もとにかく食らいついて、自分の力を全て出し切るしかなかった。彼女には本当に大きな敬意を払いたい」
「第2セットを落としたのは正直痛かったけど、そういうことが起きるのもテニス。チャンピオンシップポイントはただの1ポイントにしかすぎない。もちろん特別なポイントではあるけど、あの時は彼女が素晴らしいショットを打ってきた。それは私にはコントロールできないことだから仕方がない。
一番大事なのはそこから立て直すことで、もしそれにとらわれすぎていたら、ファイナルセットではまともなプレーはできなかったと思う。何とか切り替えられて良かった」
この結果エムボコは大会後に更新された世界ランキングで18位に浮上し、初のトップ20入り。今後も19歳のさらなる活躍に期待だ。
文●中村光佑
【動画】エムボコがブクサを振り切ってツアー2勝目を挙げた香港オープン決勝ハイライト
【関連記事】大坂なおみが四大大会に次ぐWTA1000大会で準優勝。決勝は地元の18歳エムボコにフルセットで惜敗<SMASH>
【関連記事】「今は自動操縦のような感覚で動けているわ」18歳の新星エムボコが全仏オープンで大躍進!予選を含む5試合で失セットゼロ<SMASH>
今季のエムボコは下部のITFツアーで開幕から22連勝を飾って4タイトルを獲得すると、3月の「マイアミ・オープン」(ハード/WTA1000)1回戦でカミラ・オソリオ(コロンビア/現80位)からツアー初白星をゲット。最高峰の四大大会でも6月の全仏オープンで予選を突破して3回戦へ、7月のウインブルドンでも予選から2回戦へ進出し、開幕時に300位台だったランキングを一気に100位圏内まで押し上げた。
そしてワイルドカード(主催者推薦)で出場した8月の「ナショナルバンク・オープン」(ハード/WTA1000)では、ソフィア・ケニン(アメリカ/現28位)、ココ・ガウフ(アメリカ/現3位)、エレーナ・ルバキナ(カザフスタン/現6位)、大坂なおみ(日本/現16位)の4人の四大大会優勝経験者を破り、ツアー初優勝を四大大会に次ぐグレードのWTA1000で達成。まだティーンエイジャーとは思えない圧巻のパフォーマンスで多大なインパクトを与えた。
しかしその後は、9月の全米オープンから4大会連続で初戦敗退と苦戦。それでも10月の「ジャパン・オープン」(ハード/WTA250)ではベスト8入りし、復調の兆しを見せていた。
迎えた今大会はアンナ・カリンスカヤ(ロシア/元11位/大会時35位)の途中棄権で勝利した準々決勝以外は全てフルセットで制して決勝へ進出。そして最後はダブルスでツアー7勝を誇る27歳のクリスティーナ・ブクサ(スペイン/同68位)に7-5、6-7(9)、6-2で競り勝ち、価値あるツアー2勝目を手にした。
今季最長のツアー決勝となった2時間49分の死闘を制したエムボコ。第2セットのタイブレークでチャンピオンシップポイントを逃すなど嫌な流れになりかけたが、19歳らしからぬ強い精神力で勝ち切った。オンコートインタビューでは対戦相手へのリスペクトを込めつつ、試合内容をこう振り返った。
「今日はクリスティーナが本当にハイレベルなテニスをしていたと思う。彼女は劣勢になっても驚くようなショットでカムバックしてきた。私もとにかく食らいついて、自分の力を全て出し切るしかなかった。彼女には本当に大きな敬意を払いたい」
「第2セットを落としたのは正直痛かったけど、そういうことが起きるのもテニス。チャンピオンシップポイントはただの1ポイントにしかすぎない。もちろん特別なポイントではあるけど、あの時は彼女が素晴らしいショットを打ってきた。それは私にはコントロールできないことだから仕方がない。
一番大事なのはそこから立て直すことで、もしそれにとらわれすぎていたら、ファイナルセットではまともなプレーはできなかったと思う。何とか切り替えられて良かった」
この結果エムボコは大会後に更新された世界ランキングで18位に浮上し、初のトップ20入り。今後も19歳のさらなる活躍に期待だ。
文●中村光佑
【動画】エムボコがブクサを振り切ってツアー2勝目を挙げた香港オープン決勝ハイライト
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