男子テニスのATPツアーでこれまでに3勝を挙げているフランステニス界期待の新鋭、アルテュール・フィス(現世界ランキング40位)。21歳の彼は今年5月末の「全仏オープン」(四大大会)3回戦を背中の疲労骨折で途中棄権してから戦線を離脱し、8月の「ナショナルバンク・オープン」(ハードコート/ATP1000)で1度復帰したものの3回戦で敗れて以降は再びツアーを離れている。
2023年にツアー初優勝を飾り、昨季は「ジャパンオープン」(ATP500)を含む2タイトルを獲得したフィスは、今季も3月の「BNPパリバ・オープン」と「マイアミ・オープン」(共にATP1000)で2大会連続のマスターズ8強入りを果たし、4月には世界ランキングでも自己最高の14位を記録。クレーシーズンも「モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)でベスト8、「バルセロナ・オープン」(ATP500)でベスト4と好調を維持していた。
ところがこの頃から背中に問題を抱えていたというフィス。強行出場した母国開催の全仏オープンでは1回戦でニコラス・ジャリー(チリ/大会時149位)を破ると、2回戦ではジャウメ・ムナール(スペイン/同57位)に4時間25分にも及ぶフルセットの死闘の末に勝利したが、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/同15位)との3回戦は試合前棄権を余儀なくされていた。
その直後に医師から下された診断は「L5椎骨(背骨)の疲労骨折」。先日仏紙『20 Minutes』の取材に応じたフィスは地元ファンの前でプレーしたいがために無理を押して全仏に出場したことへの後悔を率直に明かしている。
「今も『ローラン・ギャロス(全仏)に出場すべきだったのか』と考えてしまう。あの大会に出る前にケガが判明した。心境的には少し複雑だったが、その時の僕のランキングが13位か14位で、かなり良いプレーができていたこともあり、どうしても出たいと思った」
結局チーム全員で出場を決め、「ケガを抱えている中でジャリーとムナールに勝って自分の実力を証明できた」と手応えを感じたフィスだったが、結果的には勢いを止めたくなかったが故の出場決断が仇になってしまった。「もっと経験を積んでいたら、全仏はプレーしていなかったと思う」と、21歳は振り返る。
海外メディア『tennishead』などによると、フィスは最近、出場予定だったエキジビションマッチ「ワールド・テニス・リーグ」も欠場したが、来季には復帰が期待されている。約15年ものテニス人生を通じて背中のケガに悩まされてきたという彼は、今回のインタビューで今後は身体に負担をかけないプレースタイルに変更する意向を明らかにした。
「いくつかの点で自分のプレーを変えるつもりだ。専属の医師がトレーナーやコーチと共に背中への負担を減らす方法を考えてくれている。小さな変化にすぎないだろうが、時間はかかると思う。この15年間、ずっと同じプレースタイルでやってきたからね」
フィスのガッツあふれるプレーは大きな魅力の一つだが、その分同箇所への負担は大きかったようだ。復帰後にどんな“変化”が見られるか、注目したい。
文●中村光佑
【連続写真】バックに激しく振られた際のフィスのディフェンス『30コマの超分解写真』
【関連記事】全仏3回戦を棄権したフィスが「背中を疲労骨折していた」と報告。芝シーズンは「全て保留」と厳しい見通しに<SMASH>
関連記事】ジャパンオープン優勝は20歳のフィス!3時間4分の激闘の末アンベールとのフランス勢対決を制す
2023年にツアー初優勝を飾り、昨季は「ジャパンオープン」(ATP500)を含む2タイトルを獲得したフィスは、今季も3月の「BNPパリバ・オープン」と「マイアミ・オープン」(共にATP1000)で2大会連続のマスターズ8強入りを果たし、4月には世界ランキングでも自己最高の14位を記録。クレーシーズンも「モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)でベスト8、「バルセロナ・オープン」(ATP500)でベスト4と好調を維持していた。
ところがこの頃から背中に問題を抱えていたというフィス。強行出場した母国開催の全仏オープンでは1回戦でニコラス・ジャリー(チリ/大会時149位)を破ると、2回戦ではジャウメ・ムナール(スペイン/同57位)に4時間25分にも及ぶフルセットの死闘の末に勝利したが、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/同15位)との3回戦は試合前棄権を余儀なくされていた。
その直後に医師から下された診断は「L5椎骨(背骨)の疲労骨折」。先日仏紙『20 Minutes』の取材に応じたフィスは地元ファンの前でプレーしたいがために無理を押して全仏に出場したことへの後悔を率直に明かしている。
「今も『ローラン・ギャロス(全仏)に出場すべきだったのか』と考えてしまう。あの大会に出る前にケガが判明した。心境的には少し複雑だったが、その時の僕のランキングが13位か14位で、かなり良いプレーができていたこともあり、どうしても出たいと思った」
結局チーム全員で出場を決め、「ケガを抱えている中でジャリーとムナールに勝って自分の実力を証明できた」と手応えを感じたフィスだったが、結果的には勢いを止めたくなかったが故の出場決断が仇になってしまった。「もっと経験を積んでいたら、全仏はプレーしていなかったと思う」と、21歳は振り返る。
海外メディア『tennishead』などによると、フィスは最近、出場予定だったエキジビションマッチ「ワールド・テニス・リーグ」も欠場したが、来季には復帰が期待されている。約15年ものテニス人生を通じて背中のケガに悩まされてきたという彼は、今回のインタビューで今後は身体に負担をかけないプレースタイルに変更する意向を明らかにした。
「いくつかの点で自分のプレーを変えるつもりだ。専属の医師がトレーナーやコーチと共に背中への負担を減らす方法を考えてくれている。小さな変化にすぎないだろうが、時間はかかると思う。この15年間、ずっと同じプレースタイルでやってきたからね」
フィスのガッツあふれるプレーは大きな魅力の一つだが、その分同箇所への負担は大きかったようだ。復帰後にどんな“変化”が見られるか、注目したい。
文●中村光佑
【連続写真】バックに激しく振られた際のフィスのディフェンス『30コマの超分解写真』
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