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海外テニス

かつてメドベージェフを指導した元世界6位シモンがその苦労を吐露「ボックス席にいる時間は最も不快だった」<SMASH>

中村光佑

2025.11.27

かつてメドベージェフ(右)の陣営に加わったシモン(左)は、試合中の気性の荒さに閉口したという。(C)Getty Images

かつてメドベージェフ(右)の陣営に加わったシモン(左)は、試合中の気性の荒さに閉口したという。(C)Getty Images

 現役時代にツアー14勝を挙げ、男子テニスのATP世界ランキングで6位を記録するなど輝かしい功績を残したジル・シモン氏(フランス/40歳)。2022年に引退した彼は、21年全米オープン王者で元世界1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/現13位/29歳)をアドバイザーとして約1年にわたりサポートし、今年1月の全豪オープンをもってチームを去った。

 メドベージェフが昨年2月にシモン氏を招聘した際は、多くのファンから注目を集めた。というのもシモン氏の現役中に両者は4度ツアーで対戦しているのだが、うちメドベージェフが勝利したのは22年6月の「リベマ・オープン」(オランダ・スヘルトーヘンボス/芝/ATP250)2回戦の1度のみ。かつての“天敵”をチームに迎え入れるという珍しい試みだったからだ。

 先日シモン氏は欧米スポーツメディア『Eurosport』を通じ、気性の荒いメドベージェフをコーチングした時に感じた“難しさ”を語った。シモン氏はメドベージェフを「人としては素晴らしい」と評する一方で、試合中の同選手の振る舞いには手を焼いたと率直に明かす。

「特にボックス席にいる時間は最も不快だった。彼はオフコートでは非常に気さくな人物だが、試合中の彼は、コントロールが難しい内なる“小さな怪物”と向き合わなければならなかった」
 
 ただ同氏は元選手としてこうも語る。「そういう振る舞いが表に出てしまうことが本人のためにならないのはわかっているが、気持ちは理解できる。その点はチームに加わる前から把握していたし、それ以外は本当に楽しかった」

 続けてシモン氏はチームを去った後に「初めて知ったこと」も明かした。24年から不調にあえいでいたメドベージェフは長年のメインコーチ、ジル・セルバラ氏に新サポートメンバー招聘の旨を知らせないまま、シモン氏に直接コンタクトを取っていたそうだ。

「セルバラに知らせずに私に直接連絡してきたということは、ダニール自身が『何かが欠けている』と感じたか、変えたい部分があったのだと思う。セルバラにとっては簡単な状況ではなかったと思うが、私は自分がチームに加わることで長年のコーチである彼の立場が脅かされることはないと伝え、最終的には我々の間でやるべきことがより明確になった」とシモン氏は当時を振り返る。

 しかし最後は「結果が出なかった」との理由で離別。既報の通りメドベージェフは今年9月の全米をもってセルバラ氏、フィットネストレーナーのエリック・ヘルナンデス氏とも契約を解消し、コーチ陣を総入れ替えした。現在は錦織圭の元コーチであるトーマス・ヨハンソン氏と、過去にオランダテニス連盟のナショナルヘッドコーチを務めた実績を持つローハン・ゲッツケ氏に師事している。

文●中村光佑

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