最終戦が終わり、テニス界は短いオフシーズンに入りましたので、2025年を振り返ってみたいと思います。
女子はアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)の年でした。グランドスラムの優勝は全米オープンだけでしたが、全豪オープンとローランギャロス(全仏オープン)で決勝に進出、ウインブルドンではベスト4に入りという結果を出しました。これだけ安定した結果を出せるのは、かなり大変なことですが、それをやり遂げています。自分の時代を作り始めているという印象です。
世界ランキング2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、うまくいかなかった時の適応力がサバレンカより低いですね。ストイックすぎるためか、進化がうまく進んでいない様子です。アマンダ・アニシモア(アメリカ)はスランプから蘇ってきました。ウインブルドンと全米オープンで準優勝です。インパクトがありましたし、当たった時の強さが感じられました。
最終戦はエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)が優勝ました。彼女らしいです。ルバキナは波があるので、乗っている時は勝てるし、乗れないとサッと負けてしまう。淡々としていますが、当たった時の強さはずば抜けていることを証明しました。
グランドスラムの優勝者が全て違う年でしたが、今までのそういう年とは違い、準決勝、決勝で白熱した試合が多かったです。中身のある内容の濃い1年でした。
男子は2強時代が到来しました。4つのグランドスラム優勝を、カルロス・アルカラス(スペイン)とヤニック・シナー(イタリア)で2つずつ分け合い、最終戦の途中でアルカラスが年間1位を決めました。最終戦の決勝もこの2人で、ポイントも3位と大きく離れています。
このライバル関係は、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)に匹敵するぐらいものになってきています。本当にどちらが勝つかわからないので、面白くなってきましたね。
2人が圧倒しているので、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の影が薄くなってきていますが、しっかりと4位に付けています。38歳にして今年2大会で優勝し、ツアー101個目のタイトルを手にしました。
明らかに全盛期と比べて動きのスピードが落ち勝つことが難しい状態にもかかわらず、結果を出してきています。ここまでくると、純粋にすごいと思いますし、尊敬の念が強くなります。ジョコビッチの勝ちに対する執着心も以前よりも相手に対するリスペクトが強く感じられるようになりました。
日本人選手についてですが、男子では望月慎太郎選手がトップ100入りしました。他の選手たちが苦しんでいる中で、日本テニス界としてはうれしいニュースです。22歳なので順調にステップアップしていますね。
大坂なおみ選手は全米オープンの頃はフィジカルが充実し、プレーの内容も良くなってきました。同じように早い段階で出産後に復帰したベリンダ・ベンチッチ(スイス)やエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ)と比べると、トップレベルのランキングへ戻るスピード感がもう少し欲しいところではありましたが、着実にランキングを戻しトップ10も2026年は狙えるでしょう。
プレースタイルの方向性は変わっていませんが、フットワークやリターンなどが良くなりましたし、自分の武器をどう使うかも、パワー一辺倒だった頃から大きく変わりました。今が最も地に足が付いた状態でテニスと向き合って成長を感じられている時なのではないかと思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【画像】全米OP優勝を果たしたアルカラス&サバレンカがニューヨークでトロフィーツアー
【画像】ヤニック・シナーがついにウインブルドン初優勝!
【画像】激戦を制したベンチッチが東レPPO決勝に進出!
女子はアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)の年でした。グランドスラムの優勝は全米オープンだけでしたが、全豪オープンとローランギャロス(全仏オープン)で決勝に進出、ウインブルドンではベスト4に入りという結果を出しました。これだけ安定した結果を出せるのは、かなり大変なことですが、それをやり遂げています。自分の時代を作り始めているという印象です。
世界ランキング2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、うまくいかなかった時の適応力がサバレンカより低いですね。ストイックすぎるためか、進化がうまく進んでいない様子です。アマンダ・アニシモア(アメリカ)はスランプから蘇ってきました。ウインブルドンと全米オープンで準優勝です。インパクトがありましたし、当たった時の強さが感じられました。
最終戦はエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)が優勝ました。彼女らしいです。ルバキナは波があるので、乗っている時は勝てるし、乗れないとサッと負けてしまう。淡々としていますが、当たった時の強さはずば抜けていることを証明しました。
グランドスラムの優勝者が全て違う年でしたが、今までのそういう年とは違い、準決勝、決勝で白熱した試合が多かったです。中身のある内容の濃い1年でした。
男子は2強時代が到来しました。4つのグランドスラム優勝を、カルロス・アルカラス(スペイン)とヤニック・シナー(イタリア)で2つずつ分け合い、最終戦の途中でアルカラスが年間1位を決めました。最終戦の決勝もこの2人で、ポイントも3位と大きく離れています。
このライバル関係は、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)に匹敵するぐらいものになってきています。本当にどちらが勝つかわからないので、面白くなってきましたね。
2人が圧倒しているので、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の影が薄くなってきていますが、しっかりと4位に付けています。38歳にして今年2大会で優勝し、ツアー101個目のタイトルを手にしました。
明らかに全盛期と比べて動きのスピードが落ち勝つことが難しい状態にもかかわらず、結果を出してきています。ここまでくると、純粋にすごいと思いますし、尊敬の念が強くなります。ジョコビッチの勝ちに対する執着心も以前よりも相手に対するリスペクトが強く感じられるようになりました。
日本人選手についてですが、男子では望月慎太郎選手がトップ100入りしました。他の選手たちが苦しんでいる中で、日本テニス界としてはうれしいニュースです。22歳なので順調にステップアップしていますね。
大坂なおみ選手は全米オープンの頃はフィジカルが充実し、プレーの内容も良くなってきました。同じように早い段階で出産後に復帰したベリンダ・ベンチッチ(スイス)やエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ)と比べると、トップレベルのランキングへ戻るスピード感がもう少し欲しいところではありましたが、着実にランキングを戻しトップ10も2026年は狙えるでしょう。
プレースタイルの方向性は変わっていませんが、フットワークやリターンなどが良くなりましたし、自分の武器をどう使うかも、パワー一辺倒だった頃から大きく変わりました。今が最も地に足が付いた状態でテニスと向き合って成長を感じられている時なのではないかと思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【画像】全米OP優勝を果たしたアルカラス&サバレンカがニューヨークでトロフィーツアー
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