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国内テニス

J60にグレードアップされた「岐阜国際ジュニアテニストーナメント」、男子は大垣心太郎が連覇、女子は鈴木美波が単複制覇<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.12.06

今年から大会のグレードがアップした「岐阜国際ジュニアテニストーナメント」では連日熱戦が繰り広げられ、男子は大垣心太郎(左から4人目)、女子は鈴木美波(同5人目)が優勝した。右から3人目が伊達公子さん。写真:ヨネックス

今年から大会のグレードがアップした「岐阜国際ジュニアテニストーナメント」では連日熱戦が繰り広げられ、男子は大垣心太郎(左から4人目)、女子は鈴木美波(同5人目)が優勝した。右から3人目が伊達公子さん。写真:ヨネックス

「リポビタン Presents KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」の一環として実施された、岐阜国際ジュニアテニストーナメント2025 Supported by KIMIKO DATE × YONEX PROJECT」(ITF World Tennis Tour Junior J60)が、2025年11月24日から30日まで岐阜メモリアルセンター(岐阜県/ハードコート)にて開催された。

 今大会は昨年のJ30からJ60へとグレードアップされ、獲得できるポイントが倍増したことで、選手たちにとって「世界を目指す試金石」としての重要性が一層高まった。

 各カテゴリーでは、若きトップジュニアたちによる白熱した試合が展開され、男子シングルスでは大垣心太郎が2連覇を達成。女子シングルスではプロジェクト4期生の鈴木美波が優勝するなど頼もしいスタートを切った。

 男子シングルス優勝の大垣は、大阪、北杜のJ30、J60に続く連続優勝。「攻めないと勝てない」という意識を持って戦い、コーチ変更後の基礎トレーニングで培ったというフォアハンドの精度に自信を覗かせる。今大会では決勝を含む5試合でわずか16ゲームしか落とさない圧巻の強さを見せた大垣は、次戦の愛媛大会で4大会連続優勝を狙い、来年のグランドスラムジュニアでは4大会全てに出場することを目標としている。

 一方、プロジェクト生として初の単独優勝を果たした鈴木は、決勝を含む全試合をストレートで勝ち上がり、ITFジュニア2勝目を飾った。持ち味は「変化」であり、スライスや緩急を織り交ぜることでラリーが単調にならないように組み立て、そこから得意のネットプレーへと繋げたことが勝因となった。「緊張の中でもベストを尽くせた」と喜びを口にした鈴木は今後、ランキング上昇を生かしてよりグレードの高い海外大会に挑戦したいと意欲を示した。
 
 大会のゼネラルプロデューサーを務める伊達公子さんは、J60へのグレードアップについて「選手たちにとってポイントが倍になることはいいことしかない。5年かけてJ60になれたことを喜ばしく思う」と、大会の成長を評価。また、昨年全面塗り替えが施され、岐阜メモリアルセンターのコートサーフェスについても「スピードが落ち着いてきた」と、選手たちに安定した試合環境を提供できることに満足感を示した。さらに「天候にも恵まれ、選手・運営側双方にとって良い環境だった」とも振り返りった。

 また、伊達さんは、大垣のJ60の2連覇を「着実な成長」と評価。鈴木については「元々の実力と安定感に加えて、緊張しながらもきちんと結果を出せるタイプ」と評価するが、一方では「ストロークの細かい使い方や精度、ボレーのポジショニング、ドロップショットの使い方など、駆け引きや戦法の面は今後伸ばせるところ」と、今後のさらなる成長に向けた具体的な課題も指摘した。

 伊達さんは、岐阜大会がハードコート環境整備の先駆けとして、国際ジュニア大会を開催してきた意義を強調し、「Go for the GRAND SLAM」というテーマのもと、「選手たちの意識が世界に向かい始めた変化を感じている」と語る。岐阜の方々や、ガバメントクラウドファンディングによるサポートに感謝しつつ、今後、大会を継続していくための方策を検討していく必要があると結んだ。

 岐阜大会の熱戦を経て舞台は愛媛へ。多くの選手たちが目標とするグランドスラムジュニアへ少しでも近づくことができるよう、プロジェクトはサポートしていく。

◆女子シングルス決勝結果
〇鈴木美波 6-2 6-2 塩見渚●
◆男子シングルス決勝結果
〇大垣心太郎 6-2 6-1 岡部世南●

◆女子ダブルス決勝結果
〇塩見渚/鈴木美波 6-2 6-1 西川桃絆/大滝莉央●
◆男子ダブルス決勝結果
○金子颯良/三好碧生 6-4 6-4 天野雄太/倉林大愛●

構成●スマッシュ編集部 取材協力:ヨネックス

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