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海外テニス

【伊達公子】コーチを変えるべき時に動かないとスキルアップが難しくなる<SMASH>

伊達公子

2025.10.10

「何かを変えたい時にはコーチ変更は有効」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「何かを変えたい時にはコーチ変更は有効」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 現在のテニス界ではコーチの存在がますます重要になってきています。長く同じコーチに師事する選手は少数になってきており、コーチを変えることが多くなってきています。

 自分が良い状況の時にはコーチは変えないでしょう。何かを打破したい、変えたいと思った時に、リフレッシュして新しい環境にするためにコーチを変更することはあります。新しいコーチになると緊張感も生まれ、プラスになる場合も多いと思います。

 ずっと同じコーチだと、コーチも自分も見えなくなっている部分があるものです。それを客観的な視点から良い点も悪い点も明確化できる機会になります。そして、新しいコーチが言うことだと、スッと受け入れられることもあるため、何かを変えたい時にはコーチ変更は有効な手段の1つでしょう。

 コーチを変えるべき時に変えないことは成長を遅らせることになります。コーチと一括りで言いますが、色々なコーチがいます。幼少期に楽しさを教えるコーチ、クラブのコーチ、育成のコーチ、強化のコーチ、ツアーコーチなど。それぞれのタイミングで適したコーチに付いていないと、スムーズにスキルアップするのは難しくなります。

 年齢や時期、ランキングによって選手側が求めるものも違いますし、コーチが言うべきことも違ってきます。技術を教えるのがうまいだけでは、選手を導けるコーチにはなれません。

 例えば、プロになったばかりの選手のコーチなら、選手のタイプにもよりますが、選手に全面的に任せる時期ではないので、ある程度プッシュするコーチがいいでしょう。受け身のコーチではなく、情熱とエネルギーを持って取り組めるコーチであるべきですね。
 
 グランドスラム本戦で戦えるぐらいのポジションに行くのは、相当頑張らないと難しいものです。選手だけが頑張っていても難しいので、コーチも同じ熱量で取り組めることが大事です。

 私の場合は小浦さんがレールを引いてくれていました。小浦さんは世界トップレベルでのツアーコーチの経験はありませんでしたが、世界上位に導く道が見えていました。そして、選手のモチベーションを高めることもうまかったです。それが成功できた大きな要因でもありました。

 コーチ変更のタイミングで多いのは、頑張ってトップ100を切ることができた後、さらに上を目指した時に行き詰まった時です。または、100位を切れずに、ずっと150位や200位で留まっている時が考えられるでしょう。当然、大会選びの方法を変えることなどコーチだけではないものの、コーチを変えることもステップアップするためにできることの一つでありタイミングを考える良い機会になるはずです。

 目標に辿り着けないような状態が続いているならば、何かしらの変化を起こさないと変わらないし上には行けません。考えた結果、同じコーチのままで進んでいこうという結論が出たのなら理解できます。しかし、今まで一緒にやってきたコーチに変更を言い出しづらくて続けるのは良い結果になりません。日本人選手は意外とコーチを変えることが少ない気がしますが、必要な時は変えるべきです。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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