男子テニス界の勢力図が変わりつつあるなか、世界ランキング1位のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳)と同2位のヤニック・シナー(イタリア/24歳)が見せる良好な関係性も時に注目を集める。トップ2がビッグトーナメントの直前に共に練習する姿は、かつてのツアーでは決して当たり前のものではなかった。トリノで行なわれた「ATPファイナルズ」開幕前の合同練習は、その象徴と言える。
これとは対照的だったのが、アンディ・マリー(イギリス)が明かしたロジャー・フェデラー(スイス)のスタンスである。マリーは、スヌーカー界のレジェンドであるスティーブン・ヘンドリーのYouTubeチャンネル『Stephen Hendry Cue Tips』に出演し、フェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と共に“ビッグ4”を形成した現役時代を振り返り、当時の練習事情に触れている。
マリーは「彼らと練習するのが好きだった」と語り、ナダルやジョコビッチとの練習は自らの現在地を測る貴重な機会だったという。その一方で、フェデラーだけはいつも距離を保っていたのだ。
「僕は彼らと練習していた。ジョコビッチともナダルとも練習していた。キャリアの初期にはフェデラーとも練習していたけれど、1、2年経つと彼はやめたんだ。もう僕とは練習してくれなくなった。彼(フェデラー)はジョコビッチともナダルとも一度も練習しなかったはず。彼らを“競争相手”だと考えていたからだと思う」
もっとも、その関係性はマリーにとっても常にオープンだったわけではない。
「大きな試合の2、3日前には一緒に練習しなかった。でも、グランドスラムの数週間前であれば、彼らと練習することはあった」
またコート外では、フェデラーのみならず、ナダルやジョコビッチとも行動を共にすることはなく、私的な時間を共有することもなかったという。
「彼らと一緒に夕食に行くことは一度もなかった。今ならぜひそうしたいと思うけど、当時は家族や友人と過ごしていた。普通、友人や家族と一緒にいる時は、何かうまくいっていないことがあれば打ち明けられる。でも、競い合っている相手には、そんなことは言わないからね」
フェデラーとナダルが、キャリア終盤になって交流を深めたことを思えば、若くして親密な関係を築くアルカラスとシナーの姿は、ツアーの空気が変化していることを示しているのかもしれない。マリーの証言は、フェデラーが選んだ王者としての距離感と、ツアーにおける時代の移ろいを浮かび上がらせている。
構成●スマッシュ編集部
【画像】引退を表明したアンディ・マリーが兄ジェイミーとの最後のダブルスに出場&涙のセレモニー!!/ウインブルドン2024
【画像】あの名シーンも!史上屈指のライバル、フェデラー&ナダルの"若かりし頃"ギャラリー
【関連記事】ジョコビッチが盟友マリーとのコーチ契約を半年で終了「一緒に友情を深めることができて楽しかった」と惜別の言葉<SMASH>
これとは対照的だったのが、アンディ・マリー(イギリス)が明かしたロジャー・フェデラー(スイス)のスタンスである。マリーは、スヌーカー界のレジェンドであるスティーブン・ヘンドリーのYouTubeチャンネル『Stephen Hendry Cue Tips』に出演し、フェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と共に“ビッグ4”を形成した現役時代を振り返り、当時の練習事情に触れている。
マリーは「彼らと練習するのが好きだった」と語り、ナダルやジョコビッチとの練習は自らの現在地を測る貴重な機会だったという。その一方で、フェデラーだけはいつも距離を保っていたのだ。
「僕は彼らと練習していた。ジョコビッチともナダルとも練習していた。キャリアの初期にはフェデラーとも練習していたけれど、1、2年経つと彼はやめたんだ。もう僕とは練習してくれなくなった。彼(フェデラー)はジョコビッチともナダルとも一度も練習しなかったはず。彼らを“競争相手”だと考えていたからだと思う」
もっとも、その関係性はマリーにとっても常にオープンだったわけではない。
「大きな試合の2、3日前には一緒に練習しなかった。でも、グランドスラムの数週間前であれば、彼らと練習することはあった」
またコート外では、フェデラーのみならず、ナダルやジョコビッチとも行動を共にすることはなく、私的な時間を共有することもなかったという。
「彼らと一緒に夕食に行くことは一度もなかった。今ならぜひそうしたいと思うけど、当時は家族や友人と過ごしていた。普通、友人や家族と一緒にいる時は、何かうまくいっていないことがあれば打ち明けられる。でも、競い合っている相手には、そんなことは言わないからね」
フェデラーとナダルが、キャリア終盤になって交流を深めたことを思えば、若くして親密な関係を築くアルカラスとシナーの姿は、ツアーの空気が変化していることを示しているのかもしれない。マリーの証言は、フェデラーが選んだ王者としての距離感と、ツアーにおける時代の移ろいを浮かび上がらせている。
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