専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

ナダル自身が振り返る“ビッグ4”の功績。「僕らのライバル関係は新しい世代にもきっと役立つ」<SMASH>

中村光佑

2025.05.28

セレモニーで久々に勢揃いし、旧交を温め合うビッグ4。左からフェデラー、ジョコビッチ、ナダル、マリー。(C)Getty Images

セレモニーで久々に勢揃いし、旧交を温め合うビッグ4。左からフェデラー、ジョコビッチ、ナダル、マリー。(C)Getty Images

 テニス四大大会「全仏オープン」が開幕初日に挙行した特別式典にて、同大会での輝かしい功績を讃えられた男子テニス元世界ランキング1位のラファエル・ナダル氏(スペイン/昨年引退/38歳)。式典後のインタビューでは、祝福に駆けつけてくれたロジャー・フェデラー氏(スイス/42歳/22年引退)、アンディ・マリー氏(イギリス/38歳/昨年引退)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/38歳/現6位)と共に“ビッグ4”としてかけがえのないライバル関係を構築できたことの意義を語った。

 全仏オープンで最多14勝を挙げ、通算でも112勝4敗という驚異的な記録を残したナダル氏。センターコート“フィリップシャトリエ”で開催された特別式典には、昨秋惜しまれながらも選手生活に別れを告げた赤土の王者を称えようと、フェデラー氏、マリー氏、ジョコビッチが駆けつけ、男子テニス界の一時代を築いたビッグ4が集結。会場のモニターでは3人からのメッセージビデオもサプライズで上映され、各々からナダル氏に祝福の言葉が送られた。

 周知の通り4人は数10年にわたって世界の頂点を争い、四大大会ではジョコビッチが24勝、ナダル氏が22勝、フェデラー氏が20勝、マリー氏が3勝と、計69個のタイトルを分け合ってきた。驚異的な強さと絶大なカリスマ性を誇った彼らは、スポーツ史上に類を見ない存在となった。ナダル氏は4人で最高のライバル関係を築き上げたことの意義を次のように語っている。
 
「(ビッグ4は)スポーツと人生に対する1つの考え方だった。最終的には、(スポーツ界への)ポジティブなメッセージになると思う。僕らは全力で相手に勝とうとしていたけれど、その競争レベルに到達するために、相手を憎む必要はなかった。それが重要な点だと思う。相手に敬意を払いながら、それでも全力で勝ちにいくことができる。これは、単なる勝敗を超えた価値のあるレガシー(遺産)だ」

 その上で「僕らのライバル関係が新しい世代にもきっと役立つと信じているし、そう願っている。今の世界は、僕らが想像する以上に対立が多くて過激だが、このような平和的で前向きなメッセージは、多くの人にとって良いものになるはずだ」と述べ、最後はこう締めくくった。

「僕たちは、キャリアの始まりから終わりまで、自分たちの姿勢を誇りに思うべきだと思う。良い時も悪い時もあったし、ライバル意識が強まったり弱まったりした時期もあった。だが結局のところは“単なるゲーム”だということを僕たちはいつも理解していた。それは簡単なことではなかったけど、僕たちはそれをやってのけたと思う」

 その“単なるゲーム”が、長く世界中のファンに感動と興奮を届けてきた。だからこそビッグ4は唯一無二の特別な存在となり得たのだろう。

文●中村光佑

【動画】ナダル氏の功績を称えるセレモニーのハイライト!

【関連記事】全仏がナダルを称えるセレモニーを開催!“ビッグ4”集結で「彼らが私の限界を引き上げてくれた」と敬意を表す<SMASH>

【関連記事】ラファエル・ナダル、デビスカップで敗れ現役生活に別れ...「全力は出し切れた。心から感謝しています」<SMASH>
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号