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海外テニス

全豪デビュー戦で「すごく悔しい敗戦」を喫した19歳坂本怜が、“未知の領域”で手にした掛け替えのない財産<SMASH>

内田暁

2026.01.21

フルセットの激戦の末に全豪初戦敗退を喫した坂本怜だが、初の四大大会本戦で5セットマッチを経験し、“知っていること”が増えた。(C)Getty Images

フルセットの激戦の末に全豪初戦敗退を喫した坂本怜だが、初の四大大会本戦で5セットマッチを経験し、“知っていること”が増えた。(C)Getty Images

 試合開始時に、スカイブルーのコートを激しく照らしていた太陽は、勝敗が決した時には観客席の背後に隠れ、照明が両選手の淡い影をコートに落としていた。

 試合時間、3時間51分。両選手が奪った合計ポイント数は333。その最後の1ポイントは、バックハンドが長く伸び、相手の手に渡った。

 最終スコアは、6-7(6)、1-6、7-5、6-4、3-6。2セットダウンから追い上げ駆け込んだ、人生で初の第5セット。最終セットで3度手にするも、生かせなかったブレークポイント。第6ゲームで左足を襲ったケイレン。転倒。そして、惜敗......。

 19歳の新鋭、坂本怜のグランドスラム本戦デビュー戦は、起伏とドラマに満ちた、人々の記憶に残る激闘だった。

 今回の全豪オープンテニスで予選を勝ち上がった坂本が、初戦で対戦したのはラファエル・ホダル。坂本と同期の19歳で、彼にとっても今回がグランドスラムデビュー戦だった。男子選手にとってグランドスラム本戦が特別なのは、5セットマッチという点だ。未知なる領域への不安や懸念は、両者とも頭のどこかにはあっただろう。
 
 ハイレベルの第1セットを落とした時、坂本は「集中力が落ちるところまで落ちた」と後に振り返っている。あるいはそれも、初の5セットマッチゆえかもしれない。

 ただ、トイレットブレークを挟んで第3セットに向かう時、坂本は「シンプルに、自分のやるべきことをしよう」と気持ちを切り替えたという。対して、2セットを通じ高質のパフォーマンスを維持していたホダルは、ここに来てようやく、フォアハンドにミスが増え始めた。

 その綻びを広げるべく、坂本は相手のフォアにボールを集め、ラリーを支配し始める。第3セット終盤にブレークしセットを取った坂本が、波に乗ったまま第4セットも、最初のゲームでブレーク。そのリードを守り切り、咆哮と共に運命の最終セットへの扉を開いた。

 両者とも予選3試合を勝ち上がり、初の本戦で、未体験ゾーンのファイナルセットへとなだれ込む。勢いは、追い上げる坂本にあるのは間違いない。
 
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