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足を蹴る方向でパワーが変わる! 日比野菜緒がフォアハンドの強打の秘訣を伝授【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.08.08

足の蹴りで下から上に跳びながら、身体をボールにぶつけていくのが、日比野菜緒の強打の秘訣だ。2020年全豪オープンより。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

足の蹴りで下から上に跳びながら、身体をボールにぶつけていくのが、日比野菜緒の強打の秘訣だ。2020年全豪オープンより。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 プロテニス選手は、目の覚めるようなスピードショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は日本女子No.2に位置する日比野菜緒選手の2回目、武器であるフォアハンドの強打について教えてもらった。

「バックのダウンザラインは以前から自信がありました」と語る日比野選手。しかし、コーチである竹内映二氏(元デビスカップ監督)に、「フォアが武器にならないと世界では戦っていけない」と言われ、フォアの練習に励んだという。

「今では武器と言えるほど上達して、ハードヒットもできるし、強烈なスピンもかけられます。バリエーションが多いのがフォアの魅力だと思っています」

 では、どんな練習を積んで、強化に成功したのだろう?
「例えばハードヒットでは、身体をボールにぶつけていく打ち方を練習しました。つまり手だけでごまかすのではなく、全身を使ってしっかりとボールを打つようにしています」とのこと。その際にカギとなるのは、足の蹴りだ。
 
「具体的には、足とお尻で地面から力を受けて、蹴り上げてボールにぶつけていく。その時、前に蹴りがちですが、足は下から上に蹴ります。スイングの勢いもあるので身体は少し前に行きますが、蹴りは下から上というのがポイントです」

 足をしっかり蹴るには、下半身のトレーニングも欠かせない。日比野選手はウォーミングアップで「下半身を使えるように、チューブを腰の辺りに回してコーチに後ろから引っ張ってもらい、素振りをしています。お尻に意識がいくので、良い練習になります」と、強化メニューも教えてくれた。

 ボールをたたくとき、腕の振り方ばかり気にしている人はいないだろうか? 土台である下半身を意識しなければ、本当の強打は生まれない。

【プロフィール】日比野菜緒/ひびのなお
1994年11月28日、愛知県生まれ。163cm、58kg、右利き。2015年にツアー初優勝を飾りトップ100入り。その後3度の準優勝を経て、19年に2つ目のツアータイトルを獲得。正確かつテンポの速い攻撃的ストロークが武器。WTAランキング最高56位(16年1/18付)。ブラス所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2018年3月号より再編集

【PHOTO】日比野菜緒のフォアハンドの強打、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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