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海外テニス

ナダル、過度なルーティンによる“強迫性障害”の噂を「迷信家じゃない」と否定

スマッシュ編集部

2020.11.03

サービスの前にも、ボールを突きながらパンツを直したり、髪を整えたり、汗をぬぐったりと数多くのルーティンをこなすナダル。(C)Getty Images

サービスの前にも、ボールを突きながらパンツを直したり、髪を整えたり、汗をぬぐったりと数多くのルーティンをこなすナダル。(C)Getty Images

 先の全仏オープンで優勝を果たし、通算20回目のグランドスラム制覇を成し遂げた世界2位のラファエル・ナダル(スペイン)が、自身のルーティンに対する考えをイタリアの新聞『Corriere Della Sera』で語った。

 試合中、自身の集中力を高めるために様々なルーティンを行なうことで知られているナダル。クレーコートの試合では、ベースラインを繰り返し足で掃除したり、ベンチでの休憩中には、2本のボトルから水を飲み、必ず特定の位置に、特定の向きで置いたりといった行動が度々見られる。

 その姿が、特定の行為を自分の意志に反して反復する強迫性障害ではないかと噂されることもあった。しかし、強迫性障害の疑いについてナダルはきっぱりと否定しており、過去にそのような診断を受けたこともないという。

 ナダルはこれについて「私は迷信家ではない。そうじゃないと負けるたびに、それ(ルーティン)を変えないといけないだろう」と話す。さらに、「そういった行動(ルーティン)は僕の頭の中をしっかりと整理するためのものなんだ。『負けてしまう』、『もう少しで勝てる』といった内なる声を沈黙させる。それがルーティンの持つ役割だ」と自身の考えを明かした。
 
 ナダルによれば、試合に臨む上で大切なのはルーティンではなく、メンタルをどのように保つかということに尽きるという。「常にポジティブな気持ちでいることが大事だと思う。自分の弱さでさえも強さに変える。いつか必ず状況が良くなると信じて、(劣勢に)抵抗する準備を整える。抵抗するしか解決策はないからね」と、試合中のメンタリティについて語った。

 6月に34歳を迎えたものの、未だ衰えを知らないテニス界のレジェンドだが、ベテランの域に差し掛かっていることは紛れもない事実だ。ナダル自身も引退後には、「社会的疎外の危険にさらされている子どもを助ける基金での活動に積極的に携わりたい」とセカンドキャリアについて触れているが、「まだ引退を考えたことはない」とも力強く語っている。

 近年の男子テニスは世代交代の波も押し寄せているが、若手の台頭に負けず、今後もトッププレーヤーとして君臨し続けてほしい。

文●中村光佑

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