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海外テニス

「最大の夢を達成できた」世界1位のバーティーがウインブルドンを初制覇して感無量<SMASH>

中村光佑

2021.07.11

実は全仏OPで痛めた左股関節が完治していない状態で戦い、頂点に立ったバーティー。(C)Getty Images

実は全仏OPで痛めた左股関節が完治していない状態で戦い、頂点に立ったバーティー。(C)Getty Images

 現地時間7月10日、テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)は女子シングルス決勝が開催された。第1シードのアシュリー・バーティー(オーストラリア/1位)が第10シードのカロリーナ・プリスコワ(チェコ/13位)を6-3、6-7、6-3のフルセットで下し、同大会初の優勝を果たした。

 これまでウインブルドンでは最高成績がベスト16と思うような結果を残せていなかった中、今大会は安定したプレーで決勝へと駒を進めたバーティー。プリスコワとは過去7度の対戦があり、5勝2敗と勝ち越していた。

 迎えた決勝で開始から早くも4ゲームを連取したバーディーは、2度のブレークバックを許しながらも第1セットを先取。粘りを見せるプリスコワにタイブレークで第2セットを落としたものの、ファイナルセットでは第2ゲームで先にブレークに成功し、そのままリードを守り切った。

 2019年の全仏オープン以来自身2度目となるグランドスラム優勝を成し遂げたバーディー。オーストラリア人女子のウインブルドン優勝は1980年大会のエボンヌ・グーラゴング・コーリー以来41年ぶりの快挙となった。

 試合終了後に行なわれた記者会見でこれについてメディアから問われると「彼女(グーラゴング)は私の人生において、とても特別な存在なの。彼女は、先住民族の若者たちが夢を信じる道を切り開いてきた象徴的な存在でもある。もし私がエボンヌに少しでも近づけたなら、とても幸せなことだと思う」と語った。
 
 また、幼き頃から夢見てきた聖地ウインブルドンでの優勝に「最大の夢を達成できたことは、本当に素晴らしいこと。今までテニスコートで経験した中で、一番信じられないような気持ちになった。私はとても幸運な女性だと思う」と喜びを表現した。

 会見の最後にバーティーは「良いテニスプレーヤーであることよりも、良い人間であることの方が大事だと思う。テニスを学ぶ機会に恵まれたことはとても幸運だったけど、(それ以上に)良い人間であることは、毎日の生活の中で絶対に優先されることだと思っている」と日ごろから大切にしている心構えを明かした。

 世界女王というプレッシャーも見事にはねのけ、テニスの聖地で栄冠をつかみ取ったことはバーティーにとっても忘れられない出来事になるだろう。長年にわたり、全サーフェスで安定した成績を残し続けているだけに、女子テニスで史上11人目となる生涯グランドスラムの偉業達成にも期待したいところだ。

 一方、2016年の全米オープンに続き、またしても4大大会での初タイトル獲得を逃したプリスコワは「複雑な心境。決勝は理想的なスタートを切ることができなかった」と悔しさを滲ませつつも、「強くなって戻ってきたいと思う。もちろん、また優勝のチャンスもあると思う。私はそれを諦めない」と今後に向けて前向きなコメントを残している。彼女の言葉通り、グランドスラムで頂点に立つその日まで、何度でも挑戦する姿を見せてもらいたい。

文●中村光佑

【PHOTO】股関節でパワーを生むKa・プリスコワのサービス連続写真!
 
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