実業団チームによる国内最高峰の団体戦「第37回テニス日本リーグ」もいよいよ大詰め。東京体育館（渋谷区）を舞台に２月17日から始まった決勝トーナメントが19日に最終日を迎え、男女決勝および３位決定戦が行なわれた。

　男子の頂点に立ったのはイカイだ。準決勝で難敵の三菱電機を２－１で破ったイカイは、決勝で橋本総業ホールディングスと２年続けて対戦。まず行なわれたシングルス２は外国人助っ人同士のカードとなり、長身からのビッグサービスを軸にしたタイソン・キアットコウスキがリー・ゼを６－４、７－５で下し、イカイに１勝目をもたらす。

　イカイはエースの今井慎太郎を右足首のケガで欠く苦しい布陣で、シングルス１に徳田廉大を起用。その徳田が見事期待に応えた。ランキングでは格上の中川直樹に対し、徳田は攻守で隙のないプレーを見せ、第１セットを６－２で先取する。「相手は何が得意で、嫌なのかわかっていた」という徳田は、「攻撃も守備もメリハリをつけた」ことで、中川から多くのミスを引き出した。

　第２セットに入ると多少は中川も持ち直したが、徳田は好調のサービスを要所でコーナーに決め、ブレークを許さない。６－５で迎えた第12ゲーム、力尽きた中川が30－40からダブルフォールトを犯し、徳田が試合をモノにした。

　続くダブルスは、マクラクラン勉／柚木武が伊藤竜馬／河内一真から１セットアップした時点で打ち切りに。イカイは２勝０敗で２年連続４回目の優勝を手にした。
  　イカイの土橋謙一監督は「１stステージ、２ndステージからケガ人が多く、厳しい戦いだったが、最後はチーム力で連覇できた」と振り返る。決勝でも今井が欠場したが、他の選手たちでほぼ遜色のないチームを組むことができた。長丁場の日本リーグを乗り切るには、選手層の厚さが不可欠であることを改めて示した優勝だった。

　なお、最高殊勲選手には決勝トーナメント３戦全勝のキアットコウスキを選出。また３位決定戦は三菱電機が３－０でノアインドアステージを下した。

◆男子決勝結果
イカイ［２－０］橋本総業ホールディングス
S1　徳田廉大 6-2 7-5 中川直樹
S2　タイソン・キアットコウスキ 6-4 7-5 リー・ゼ
D　マクラクラン勉／柚木武 7-6(5) 打ち切り 伊藤竜馬／河内一真

◆男子３位決定戦結果
三菱電機［３－０］ノアインドアステージ
S1　清水悠太 6-3 4-6 10-6 市川泰誠
S2　高橋悠介 7-5 7-6(2) 原﨑朝陽
D　福田健司／田中優之介 6-3 3-6 10-8 坂井勇仁／上杉哲平

◆男子最終順位
優勝　イカイ
準優勝　橋本総業ホールディングス
３位　三菱電機
４位　ノアインドアステージ
５位　伊予銀行
５位　マイシン
７位　明治安田生命
７位　山喜

取材・文●渡辺隆康（スマッシュ編集部）

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