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【テニスルール虎の巻】試合中に雨が降ってきたら“自己判断で中断”してもいいのか<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.06.16

セルフジャッジの試合でポツポツと雨が降り出した。こんな時、どうする?(C)Getty Images

セルフジャッジの試合でポツポツと雨が降り出した。こんな時、どうする?(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「雨による中断」についてです。

 セルフジャッジの試合中にポツポツと雨が降ってきました。「雨に濡れたくない」ので、自己判断で試合を中断してもいいのでしょうか?

   ◆   ◆   ◆

 雨が降ってきたからといって選手の自己判断で試合を中断することはできません。試合の中断は主審がいれば主審の判断で試合を中断できますが、いない場合はロービングアンパイアが判断します。

 ロービングが試合の中断を決めるのは、雨によってコートが危険な状態にあるかが判断材料となります。

 ですから「ロービングが気付いていないけど、雨によってコートが滑りやすくなっている」「すでに水たまりができている」など、このままプレーをするのは危ないとプレーヤーが判断したのであれば、自分たちで一旦プレーを止め、ロービングを呼んで「中断してもいいですか」と承諾をもらうことです。
 
「雨に濡れたくない」という理由で中断をリクエストしても、その要求が受け入れられる可能性は低いでしょう。あくまでもコートが危険な状態になっている場合のみ中断となるのです。

 雨以外では、雷も危険な状態になったら中断となります。ルールでは「稲妻が目撃されてから30秒以内に雷鳴が聞こえたら雷が接近しているので、会場にいる全員が安全な場所に避難すべき」となっています。

 また試合再開の目安としては「最後の稲光が目撃されてから30分経過し、最後の雷鳴を聞いてから30分経過するまでは試合を再開すべきではない」と記されています。

 試合をしていて雷の危険を感じたら、前述した雨の時と同様にプレーを止めてコート上で待機し、ロービングを呼んで判断してもらうことになります。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年11月号より抜粋・再編集

【画像】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり

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