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海外テニス

【伊達公子】韓国では女子テニス大会のチケットが完売!トッププレーヤー参戦がなくても人気の理由<SMASH>

伊達公子

2023.11.03

トーナメントディレクターから「いくつかの要因」を聞いてきた伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

トーナメントディレクターから「いくつかの要因」を聞いてきた伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 10月に韓国で開催されたWTAツアー「韓国オープン」に行ってきました。韓国ではテニス人気が高く、この大会もチケットは即日完売でした。実際は空席もありましたが、トップシードはトップ10からペグラ1人。その次は過去にこの大会で優勝経験があるオスタペンコの17位。誰もが知る人気女子選手がいない中、この人気は素晴らしいことだと思います。

 なぜこれほど人気が出てきたのか、トーナメントディレクターに聞きました。まず数年間、無料でチケットを配って大会を見てもらう機会を作ったそうです。「無料なら行くけれど、お金を払ってまでは行かない」という傾向が強かったため。

 そうしているうちにコロナ渦になり、どこにも行けない中、スポーツをすることは許されていました。韓国なのでゴルフが人気ですが、高くて時間がかかるという理由で若者に敬遠されていたため、テニス人口が増えたそうです。そこに加えて若い著名人がテニスをしているという影響もあるようですね。
 
 いくつかの要因が重なり、現在ではチケットを買ってでも観戦しようという状態になってきました。よって今までは年配の人の観戦が多い印象でしたが、今年は20代や30代の若者が増えた気がします。チケット料金は、週末のベースライン後ろのVIP席で2万円ぐらいでした。日本の東レPPOだと3万円ぐらいですね。上の方の席は、似たような金額でした。

 施設は1988年のソウル五輪のもので、センターコートは約1万席、アウトドアコートも10数面あり、インドアもあります。有明と似ていますね。

 無料チケットを配布したり、著名人の影響というのは、切っ掛けにすぎません。それに力を注ぐと目的がズレてしまいます。つまり、どんな切っ掛けであっても、会場を訪れた人たちにスポーツ観戦の面白みを味わってもらい、観戦することが好きになってもらわなくては、文化として根付きません。一過性のものになってしまいます。その辺のプランや試みが韓国ではうまくいっているのだと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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