男子テニス元世界ランク２位のキャスパー・ルード（ノルウェー／現11位）がイギリスのタブロイド紙『The Express』のインタビューに登場。そのなかで2024年シーズン開幕と同時にツアーに復帰する女子元世界10位のエマ・ラドゥカヌ（イギリス／現299位）に言及し、「彼女がまた四大大会を優勝する可能性は十分にあると思う」と期待の言葉を送った。

　予選から全てストレート勝ちを収めて四大大会初優勝を果たした2021年の全米オープン以降は、ケガや体調不良で受難の日々を送っている21歳のラドゥカヌ。今年も両手首と足首の故障により４月のクレーシーズンを最後にツアーではプレーできず、長く暗いトンネルからなかなか抜け出せない状況が続いていた。

　それでも８月初旬にはコート練習を再開。９月下旬には来季からのツアー復帰を明言すると、今月初めには24年シーズンの開幕戦となる「ASBクラシック」（１月１日～７日／オークランド・ニュージーランド／ハードコート／WTA250）への参戦を表明。先日ラドゥカヌは海外メディアのインタビューで「メンタル的には優勝した21年の全米の前後よりもいい状態だと思う」と待望のカムバックへのプロセスが順調に進んでいることを強調していた。
  　インタビュワーからラドゥカヌの復帰を聞かされたルードは「エマは元気になったんだね？　彼女は年明けのオーストラリアシーズンからプレーするつもりなの？」とどこか不思議そうな様子で逆質問。その後ルードは当時18歳でグランドスラム（四大大会）の頂点に立ったラドゥカヌのポテンシャルの高さをこう称賛した。

「彼女は爆発力がある。それに、彼女のコート上での動きを見ると、本当に上手にプレーしていると感じる。全米での優勝を見た時は、特にその上手さが際立っていた。

　彼女が全米を制した時、コートをスライドしながら素晴らしいパッシングショットを打っているのを見て、僕はそれに感銘を受けた。それに彼女はあらゆるショットを完璧にこなすことができる。動きも良くボールもしっかりと打てるからポテンシャルはあると思う」

　そのうえでルードは、ラドゥカヌが再び四大大会を優勝する日が来ると予想。「彼女が良いプレシーズンを送ることができれば、いつかまたグランドスラムで優勝すると思う」と締めくくった。

　約８カ月に及ぶ離脱期間を経て、ようやく実戦のコートに帰ってくるラドゥカヌ。復帰戦となるオークランド大会では彼女らしいアグレッシブなプレーを披露してくれることを期待したい。

文●中村光佑

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